【2179】成学社(東証JQスタンダード) --
現在値 967円/100株 PER32.1 PBR2.74 3月配当優待9月配当優待
大阪地盤に指導塾『フリーステップ』『開成教育セミナー』などを展開。
配当は年2回の合計10.7円配で、配当利回は約1.11%です。
成学社は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末に100株以上を保有する株主に対し、
1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.17%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 103億円、営業利益 4.9億円 EPS 35.9円
■2016年3月期 売上高 106億円、営業利益 4.0億円 EPS 32.9円
■2017年3月期 売上高 108億円、営業利益 2.0億円 EPS 23.9円
■2018年3月期 売上高 112億円、営業利益 0.2億円 EPS 18.4円
■2019年3月期 売上高 120億円、営業利益 0.6億円 EPS 30.2円 ce
□2018年6月1Q 売上高 21.0億円、営業利益▲5.3億円 EPS▲64.7円(8/9)
□2018年9月中 売上高 54.2億円、営業利益▲2.9億円EPS▲5.2円 ce
2018年3月期の売上高は前期比3.3%増の112億円、営業利益は同9割減の0.2億円となり、
期初計画を下回り大減益となりました。集団指導型部門は、市場ニーズそのものの縮小
傾向を色濃く受け、期初の塾生獲得期における集客が低調に推移し、期中ピーク時点の
生徒数は8,900→8,279人と前年と比べ実に7%も減少しました。その一方、個別指導部門
はFCが好調に推移したこともあり、同生徒数は15,905→16,954人、と7%弱増加しました。
然しながら、全社業績としては、昨年7月に開始したフィリピンにおける日本人向けの英語
教室が低調に推移した影響も受け、営業利益段階では数字が削られることとなりました。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高が7.0%増の120億円、営業利益は
3倍の0.6億円を予想しています。堅調な個別指導型部門を中心に、実績期比で22校もの
開校純増(期末校舎数256→278校)を見込んでいるため、基本的には新規出店により増収
基調を維持していく計画です。シュリンクの続く集団指導部門については端からセグメント
減収を予想していますが、個別指導部門については、積極的な首都圏エリアへの開校や、
提携先の代ゼミのサテライト講義をほぼ全教室に完備することで更に強化する方針です。
当社は年限に定めを置いていないものの、中期成長計画として、売上高を112→150億円、
その他KPIとして塾生数を25,737→30,000人、へそれぞれ引き上げる目標を掲げています
(表記の数字自体は1年前の公表数値から変更なし)。全般的な取組として、大阪エリアに
おける「咲くやこの花中高」や、「水都国際中高」など市立の一貫校への取組の強化を図る
ほか、個別指導部門の“東上”策、既に認可園・小規模認可園含めて11園まで膨らませた
保育園事業の更なる拡大などが主な中長期成長のドライバーとなります。直近の業績が
酷い着地ではありましたが、学習塾業界のシュリンクを見越して、部分的には赤字を垂れ
流しつつも、事業ドメインの拡大に努めている点は、ある程度評価出来るかと思います。
とはいえ、個々企業の努力では抗えない部分も大きい学習塾業界は、常に再編圧力がか
かっていることもまた事実であり、時価総額が50億円強しかない当社は「淘汰の本命」格
であるかと思います。大株主3位のナガセの持株比率は1年前の6.8%から7.2%に増加して
おり、親密先である代ゼミ・高宮学園の持株比率は2.1%に過ぎません。勿論、創業者たる
太田氏と奥様、資産管理会社で過半の持分を握っているので、勝手にどうにかなることは
ないかと思われますが、太田氏は既に会長職に退いており、役員には自分以外の一族も
居ないようですので、氏の心変わりがあれば、何か動きが出てくるかもしれません。
*参考記事① 2017-08-05 988円 --
保育園事業に注力も、業績頭打ち感は鮮明・成学社(2179)。
*参考記事② 2014-07-24 821円 --
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