保育園事業に注力も、業績頭打ち感は鮮明・成学社(2179)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2179】成学社(東証JQスタンダード) --

現在値 988円/100株 PER33.7 PBR2.39 3月配当優待9月配当優待

大阪地盤に指導塾『フリーステップ』『開成教育セミナー』などを展開。
配当は年2回の合計10.4円配で、配当利回は約1.05%です。

 

成学社は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末に100株以上を保有

する株主に対して、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当

優待利回りは約3.07%となります。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 100億円、営業利益 5.1億円 EPS 52.9円
■2015年3月期 売上高 103億円、営業利益 4.9億円 EPS 35.9円 
■2016年3月期 売上高 106億円、営業利益 4.0億円 EPS 32.9円  
■2017年3月期 売上高 108億円、営業利益 2.0億円 EPS 23.9円 
■2018年3月期 売上高 116億円、営業利益 1.9億円 EPS 29.0円 ce
□2017年9月中 売上高 52.0億円、営業利益▲2.6億円EPS▲17.2円 ce

2017年3月期の売上高は前期比2.0%増の108億円、営業利益は同33.5%減

の2.0億円となり、期初計画を下回りました。前期に続き、集団指導型部門

において、塾生の募集時期である夏期講習が低調だった影響が大きく、

比較的堅調だった個別指導型部門とFCでは埋めきれませんでした。また

全社的に新教室・新事業立ち上げのための人件費が先行しているほか、

CM等の広告費用も追加投入したことで、利益は予算の半分となりました。
 

進行期である2018年3月期の予算については、売上高が6.6%増の116億円

営業利益は7.6%減の1.9億円と増収減益の想定です。堅調な個別指導型

部門を中心に、前の期比で21校もの開校純増(期末校舎数236→257校)を

見込んでいます。そのため相応の増収は見込めるものの、人件費や開業

費(家賃等)の増加を吸収しきれず、今期も費用先行となる見通しです。


集団指導型より個別指導型の方が相対的にマシ、という状況ではあるも

のの、基本的に学習塾は業界的にジリ貧状態ですので、当社についても

保育園事業や留学生向けの日本語学校向けに業容を拡大して、なんとか

トップラインを維持しているような状況です。特に保育園事業に関しては、

既に小規模認可園を8園(大阪7・神戸1)を運営していますが、今期は更に

3園(全て大阪)を、収容50名以上の認可園として新たに運営しています。

今後は所定の補助金収入が営業外で見込まれるものの、当面は保育士

確保等の費用が先行するものと思われるため、利益貢献は期待薄です。

 

ということで、事業環境的も非常に厳しく、保育園等の新規事業も要時間

のため、妙味に乏しい状況ですが、業界自体が急速にシュリンクする学習

塾業界は、常に再編圧力がかかっているような状況ですので、時価総額

が50億円台の当社は同業による被買収の可能性が十分にあります。当社

の大株主には3位にナガセ(6.8%)がいるほか、7位にはあの高宮学園(2.1%)

といった非常に体力のある大手塾も名を連ねているため、創業者一族の

“決心”次第では、いかようにもなりうるものと考えております。


*参考記事① 2014-07-24 821円 --

成学社(2179)から株主優待のクオカードが届きました!

*参考記事② 2013-12-24 692円 --

小額投資が可能なクオカード銘柄、成学社(2179)の投資判断。

 

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