受注残自体は豊富で、期末までに巻き返し期待・新晃工業(6458) | なちゅの市川綜合研究所

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【6458】新晃工業(東証1部) ---

現在値 1,650円/100株 PER10.7 PBR1.17 3月配当優待 9月配当

セントラル空調機器シェア4割。業務用空調機の中堅。中国やタイ進出。
配当は3月末・9月末の年2回合計40円のため、配当利回は2.42%となります。

 

新晃工業は株主優待を導入しており、3月末に単元株を保有する株主に対して、3,000円分

のカタログギフトを進呈していますので、配当優待利回りは4.24%となります(※1年以上継続

保有の場合。なお、保有1年未満の場合は1,000円分の図書カードとなりますので注意)

業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 391億円、営業利益 42.5億円 EPS 98.7円 

■2016年3月期 売上高 414億円、営業利益 60.3億円 EPS 155.7円  
■2017年3月期 売上高 385億円、営業利益 55.0億円 EPS 150.1円 

■2018年3月期 売上高 404億円、営業利益 54.8億円 EPS 149.1円 

■2019年3月期 売上高 415億円、営業利益 58.0億円 EPS 153.6円 ce
□2018年6月1Q 売上高 79.7億円、営業利益 3.9億円 EPS 13.6円(8/8)

□2018年9月中 売上高 186億円、営業利益 19.5億円 EPS 49.9円 ce

2018年3月期の売上高は前期比4.8%増の404億円、営業利益は同微減の54.8億円となり、

増収こそ確保したものの、期初計画水準を割り込んで着地しました。国内向けは景況感の

改善による設備投資の増加を背景に拡販に成功しました。その一方、海外向けについては

中国の景気底入れ傾向がみられるものの、価格面の過当競争が継続しており、海外セグは

連続で減収減益となりました。

 

進行期の2019年3月期予算については、売上高が2.7%増の415億円、営業利益は同5.8%増

の58億円を見込んでいます。国内向けは、主力の大型空調が引き続き好調に推移すること

を見込んでおり、実際の期初の受注残高も前年時点より1割強積み増し、既に100億円弱を

確保しています。これは事実上のフル操業状態になっているものとみられます。一方の海外

も前年時点比で2割強の受注残高を積み上げていますが、こちらに関してはグロスが小さい

ため判断が難しく、引っ張っている赤字案件が解消出来るかどうかがポイントとなりそうです。

なお、既に1Q決算が8月8日に開示されていますが、例年通り下期偏重型であることを考慮

しても見栄えの悪い内容となっており、会社側は顧客側の工事遅れを理由としていますが、

2Q決算までに公表予算水準まで無事にキャッチアップ出来るかどうかが注目点となります。

 

当社は中長期の経営計画を開示していないものの、MAや資本業務提携による業容拡大策

を採っており、2013年にビル管理会社の千代田ビル管財(売上高50億円・営業利益4億円)

に77億円もの巨費を投じて買収しています。本買収はのれん付きでしたが、年1.5億円ほど

償却していっているため、2022年度を目処に、この償却分が営業益の改善要素となります。

また昨年5月に資本業務提携し、当社の3位株主となった空調最大手のダイキン工業とは、

本年末に共同でヒートポンプ式の新製品をリリースする予定となっており、こうした商品開発

に限らず、同社が得意とする中国市場での協業が期待されます。

 

なお、株主還元については断続的な自社株買いを実施していることにくわえ、配当について

も【18→23→33→36→36→40→40円/予】、と連続増配しています。また、配当性向自体も

見直す旨アナウンスしており、実際に24%から26%水準に切り上がっていますので、今期も

期末にかけて増配含みかと思われます。当社はネットキャッシュ100億円にくわえ、80億円

もの有価証券を抱える超優良財務を誇っており、他の優良財務の空調会社同様にファンド

に狙われる可能性もあるため、やや側面的ですがそういった期待も出来るかと思います。

 

*参考記事① 2017-08-30  1,705円 ---

ダイキン工業と資本提携、一層の株主還元に期待・新晃工業(6458)。

 

*参考記事② 2015-01-30  1,364円 --

3末よりカタログギフト優待を開始、新晃工業(6458)のレビュー。

 

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