【6458】新晃工業(東証1部) ---
現在値 1,705円/100株 PER11.3 PBR1.32 3月配当優待 9月配当
セントラル空調機器シェア4割。業務用空調機の中堅。中国やタイ進出。
配当は3月9月の年2回合計36円のため、配当利回は2.11%となります。
新晃工業は株主優待を導入しておりしまして、3月末に100株以上を保有
する株主に対して、3,000円相当のカタログギフトを進呈していますので、
配当優待利回りは3.87%となります。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 357億円、営業利益 36.9億円 EPS 86.0円
■2015年3月期 売上高 391億円、営業利益 42.5億円 EPS 98.7円
■2016年3月期 売上高 414億円、営業利益 60.3億円 EPS 155.7円
■2017年3月期 売上高 385億円、営業利益 55.0億円 EPS 150.1円
■2018年3月期 売上高 410億円、営業利益 56.0億円 EPS 153.2円 ce
□2017年6月1Q 売上高 84.5億円、営業利益 6.9億円 EPS 21.7円(8/7)
□2017年9月中 売上高 175億円、営業利益 56.0億円 EPS 51.7円 ce
2017年3月期の売上高は前期比7%減の385億円、営業利益は同8.8%減の
55億円となり、トップラインがやや伸び悩んだものの期初計画通りの着地
となりました。国内向けは保守・工事等の関連事業が伸長したものの、核
となる空調機器販売が伸び悩んだほか、海外向けも中国における競争激
化の影響を受け、両セグメントともに減収減益となりました。
進行期の2018年3月期予算については、売上高が前期比6.3%増の410億
円、営業利益は同1.8%増の56億円を見込んでいます。国内向けは主力の
大型空調の伸びが期待されるものの、空調業界全体が需要の端境期と
いうこともあり確度は不透明です。また海外向けも価格競争が激化してい
ることもあり、8月7日に開示された1Q はトップライン段階から前年同期比
で2桁近い減収となっております。そもそも下期偏重が予想されていますが
それにしても進捗率がよくないので要留意かと思われます。
そもそも当社が主力とする国内向けのセントラル空調機器は伸び悩んで
いることもあり、そういった背景もあって2013年にビル管理会社の千代田
ビル管財(売上高50億円・営業益4億円程度)に77億円もの巨費を投じて、
のれん付きの買収を実施しています。ただ同社のこれだけの数字が新た
にオンされても、買収以降のトップラインは対して伸びていないので、割高
でも買収していなかったらジリ貧でしたので、結果的には良い買収でした。
また、この買収資金も自社株売りなどで対応しているため、財務状況は
引き続き非常に良好(ネット現金90億円)であり、なお買収余力があります。
こうしたMA施策にくわえ、本年5月には同じ大阪北区にあるダイキン工業
と資本業務提携(5%)を発表しており、同社が当社3位株主となり、ヒートポ
ンプ空調機のナレッジの共有・共同開発・拡販を図ることとしており、オー
ナー系会社(藤井家)らしいダイナミックな経営判断は光ります。
一方、株主還元については継続的な自社株買いにくわえ、配当に関しても
【18→23→33→36→36円/予】、と急ピッチで増配してきており、ダイキンの
資本が入ったこととの関連性は不明ですが、現状2割強に留まる配当性向
自体を切りあげることも検討中のようですので、業績面はともかくとしても
一層の株主還元の充実に大いに期待したいところであります。
*参考記事 2015-01-30 1,364円 --
3末よりカタログギフト優待を開始、新晃工業(6458)のレビュー。
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