【7456】松田産業(東証1部) ---
現在値 1,505円/100株 PER11.3 PBR0.70 3月配当優待 9月配当
電子部品スクラップから貴金属を回収、電子材料・地金の形で販売。
配当は3月末・9月末の年2回・計30円配当であり、配当利回りは1.99%となります。
松田産業は株主優待制度を導入しておりまして、100株以上保有の3月末株主に2,000円分
のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.69%となります(但し1年以上の
継続保有が条件)。また、これとは別で3月末の株主へのサービスとして、希望する全株主に
対して、富士山をフィーチャーした特製カレンダーを進呈しています。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 1,795億円、経常利益 58.3億円、EPS 125円
■2016年3月期 売上高 1,620億円、経常利益 37.8億円、EPS 97.2円
■2017年3月期 売上高 1,630億円、経常利益 34.5億円、EPS 93.2円
■2018年3月期 売上高 1,901億円、経常利益 51.4億円、EPS 131.3円
■2019年3月期 売上高 2,000億円、経常利益 52.0億円、EPS 132.9円 ce
□2018年6月1Q 売上高 960億円、経常利益 13.7億円、EPS 34.1円(8/9)
□2018年9月中 売上高 529億円、経常利益 25.0億円、EPS 63.7円 ce
2018年3月期の売上高は前期比16.6%増の1,901億円、経常利益は同48.7%増の51.4億円と
なり、期初計画を大幅に上回りました。主力の貴金属事業については、エレキ業界における
半導体・電子デバイス分野の生産拡大により、貴金属リサイクルの取扱量が増加したことに
くわえ、(白金を除き)金属価格が上昇したことが寄与しました。一方、食品事業については、
メイン商材であるすり身や鶏卵が落ち込んだほか、国内個人消費の伸び悩みという逆風が
あったものの、加工食品の伸長や海外販路拡大で巻き返し、大幅な増収増益となりました。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高が5.2%増の2,000億円、経常利益は
1.1%増の52.0億円を予想しています。主力の貴金属事業については、半導体市場をはじめ
とした外部環境が、依然好況を維持していることによる取扱数量の増加が見込まれ、金属
価格の底固い推移を前提に当該セグは増収増益を見込んでいます。また、食品事業に関
しては、2017年に海外事業推進部を新設したほか、ベトナムでも現法を開設していており、
ASEAN地域を中心に取り扱い数量の更なる拡大を図っていく方針です。
当社はいまの進行期を最終年度とする3年中計において、売上高2,100億円・営業利益50
億円を計画しておりましたが、前年度決算時に一度減額ローリングしており、売上高2,000
億円、営業利益40億円に修正しました。しかしながら、いざフタを開けてみれば、実績期の
営業利益で48.7億円を叩き出しており、図らずも修正前の計画に近い数字を1年前倒しで
達成した格好となりました。ただこれは、半導体や電子部品市況、出口となる貴金属市況
が景気敏感であり、足元の“シクリカルの波”に上手いこと全部乗っかったことが前倒達成
の主たる理由かと思われます。
会社側では既に次期中計の策定に取り掛かっているようですが、所詮は“シクリカルの波”
による好況という自覚はあるようで、相対的に市況に左右されにくい産業廃棄物処理分野
における設備・物流網の増強や、食品事業における海外販路の拡大、2016年2月に買収
したガルフ食品(築地の水産専門商社)に代表されるMAなど、貴金属事業の事業構成比を
下げるための手打ちを急いでいるような状況です。ひとまずは次期中計待ち、となります。
なお株主還元については、今期は2円増配の30円配を予想しています。当社は3期に渡り
28円配当を据え置いてきましたが、さすがに足元の好況には抗えず、期初予想時点から
増配を公表してきた格好となります。当社の自己資本比率7割を超えており、還元余力は
まだまだあるとみられるものの、株主還元姿勢は一貫して渋いものとなっており、本来で
あれば今期はもっと増配幅を取れるものの、岐阜県の関工場への新規投資があったため、
保守的に僅か2円の増配予想となってしまったとものと推察されます。
*参考記事① 2017-07-09 1,472円 --
金属リファイナーから食品商社への色合いが強まる、松田産業(7456)。
*参考記事② 2014‐08‐20 1,190円 --
3月確定のクオカード株主優待銘柄、松田産業(7456)の研究。
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