金属リファイナーから食品商社への色合いが強まる、松田産業(7456)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7456】松田産業(東証1部)  --

現在値 1,472円/100株 PER15.5 PBR0.73 3月配当優待 9月配当

電子部品スクラップから貴金属を回収、電子材料・地金の形で販売。
配当は3・9月の年2回・計28円配当であり、配当利回りは1.90%となります。

松田産業は株主優待制度を導入しておりまして、100株以上保有の3月末

株主に2,000円分のクオカードを進呈しておりまので、配当優待利回りは

約3.69%です(但し1年以上の継続保有が条件)。また、これとは別で3月末

の株主へのサービスとして、希望する全株主対し富士山をフィーチャーし

た特製カレンダーを進呈しています。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 1,654億円、経常利益 48.9億円、EPS 118円
■2015年3月期 売上高 1,795億円、経常利益 58.3億円、EPS 125円

■2016年3月期 売上高 1,620億円、経常利益 37.8億円、EPS 97.2円

■2017年3月期 売上高 1,630億円、経常利益 34.5億円、EPS 93.2円 

■2018年3月期 売上高 1,750億円、経常利益 35.0億円、EPS 94.6円 ce 
□2017年9月中  売上高 840億円、経常利益 16.0億円、EPS 43.3円 ce 

2017年3月期の売上高は0.6%増の1,630億円、経常利益は同8.5%減の34.5

億円となり、期初計画を下回りました。貴金属事業に関しては、下期から

半導体・電子部品業界が回復してきたものの、上期の落ち込み分を回復

出来なかったことにくわえ、調達側の写真感材業界の縮小も継続している

ため、取扱高が伸び悩みました。一方、食材事業に関しては主力のすり身

が下落したものの、他のエビ・カニ等の魚介類、鶏肉・卵等の畜産品が堅

調に推移したため、食材事業が貴金属事業を下支えする構図となりました。

進行期である2018年3月期の予算については、売上高が7.3%増の1,750億

円、経常利益は1.2%増の35億円を予想しています。貴金属事業について

は半導体市況などの外部環境の回復にくわえ、前の期に岐阜県関市の新

工場とベトナム工場が操業を開始しているため、調達状況や貴金属市況

にもよりますが、多少反発するものとみられます。また、堅調な伸びの続く

食品事業に関しては、前の期に落ち込んだすり身の回復が期待されます。

 

当社は2019年3月期を最終年度とする3年中計で、売上高2,100億円・営業

利益50億円(※直近期営業益は29.6億円)を計画しておりましが、今回決算

の予想開示に合わせて下方ローリングしており、修正した来期の売上高

は2,000億円、営業利益は40億円を見込んでいます。シクリカルな部分が

ある半導体や電子部品市況、ボラの大きい貴金属市況の影響は仕方ない

部分があるものの、一部で"省金化"の流れが見られるため、全社で4割弱

の利益を上げる収益源に育った食品事業のウエイト向上が鍵を握ります。

 

株主還元については、今期は前の期並みの28円配当を予想しています。

当社は配当性向30%程度を目安に還元しているとみられますが、どちらか

というと"配当額"コンシャスの安定配当という感じが強そうです。ここ数年

でやっと多少増配するようになりましたが、その分端数株式分割(1:1.1)や

自社株買いについては控えめになってきており、株主優待の長期縛りの

制限新設も含め、株主還元にはさほど積極的ではない印象を受けます。

 

*参考記事 2014‐08‐20 1,190円 --

3月確定のクオカード株主優待銘柄、松田産業(7456)の研究。

 

 

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