爆裂高還元は今期で終了?自社株買いおかわりに期待・丸井グループ(8252)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8252】丸井グループ(東証一部) ---

現在値 2,344円/100株 PER21.5 PBR1.88 3月配当優待 9月配当優待

自社販売から賃貸へ切り替え中。自社カードによる割賦販売が収益源。
配当金は年2回・合計47円のため、配当利回りは約2.01%となります。

丸井グループは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末時点で単元株を保有する株主

に対して、1,000円分の商品券および同額のwebクーポンを進呈しておりますので、配当優待

利回りは約3.71%となります。また別途、3月末にカード会員限定ですが、1,000エポスポイント

を進呈しています。

業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 4,049億円、経常利益 280億円 EPS 58.9円
■2016年3月期 売上高 2,458億円、経常利益 291億円 EPS 70.7円
■2017年3月期 売上高 2,370億円、経常利益 311億円 EPS 80.2円 

■2018年3月期 売上高 2,389億円、経常利益 351億円 EPS 93.1円 

■2019年3月期 売上高 2,490億円、経常利益 390億円 EPS 109.8円 ce

□2018年6月中 売上高 581億円、経常利益 84.4億円 EPS 26.0円(8/9)
□2018年9月中 売上高 1,195億円、経常利益 165億円 EPS 45.0円 四e

2018年3月期の売上高は前期比微増の2,389億円、経常利益は同12.9%増の351億円となり、

期初予算比ではやや減収となったものの、利益は計画線を確保しました。主力の小売事業

においては、従来型の消化仕入区画から定借型区画への切替が想定超(87%)で進捗したこ

とで採算性が改善し、予算比では5億円程度利益が上振れした一方、自主売場縮小により

売上の減少ピッチが速まりました。金融事業については、会員増と取扱高の増加にともない

セグメント利益は271→303億円へと引き続き高い伸びを維持し、全社業績を底上げしました。


進行期である2019年3月期の通期の予算については、売上高が4.2%増の2,490億円、経常

利益は11.0%増の390億円と、10期連続の増益達成及び2桁伸長の継続を見込んでいます。

小売事業においては、実績期の川崎店及び水戸店の閉鎖による減収影響があるものの、

不採算店閉鎖と急ピッチで進む定借化による利益率の改善により、当該セグメントで25%も

の増益を見込んでいます。金融事業については、業界平均の8%を上回る15%強の取扱高

伸長が続く見通しであるほか、過払い(当社は過収受)利息の返還も実績期でかなり減少

しているため、会員数の増加にともない、こちらも2桁程のセグメント増益が見込まれます。


今期は2021年3月期を最終年度とする5年中計の3年度目となり、3年後に営業利益500億

円(直近期実績352億円/CAGR約11%)を目指しています。この中計のドライバーの一つは、

小売事業における定借化の推進となりますが、既述のとおり、想定超のペースで推移いる

ことが確認されるため、当初計画通り今期中の定借化完了が見込まれるほか、在庫置場

として無償貸与していたスペース約3千坪をレンタブルに振り替えるなどしたため、定借化

による収益改善効果は上振れしてくるものとみられます。

 

一方、金融事業については、定借化の副作用でカード会員の新規獲得が計画に届かない

(カード勧誘が社員でなく、テナント任せとなるため)公算が強く、当初年間80万会員の新規

獲得を見込んでいましたが、足元では年間74~75万人の獲得となり、未達となっております。

そのため、会社側では店舗勧誘によるこれ以上の会員数上積みは難しいと認識しており、

ネット決済大手のGMOPGと提携し、ネットショップ経由の会員増を図るほか、住宅仲介の

エイブルとも提携し、同社の直営店舗網を通じた新規会員の獲得を図る方針です。一応、

こうした手打ちにより中計最終年度の新規会員獲得は年間100万人を目指しています。

 

そして当社最大のウリである株主還元については、配当性向40%基準に従い、38→47円

へ7期連続となる9円の増配を予定しています。また、今期も自社株買いを70億円規模で

実施しており(25億円購入済)、全部買うと想定した場合の総還元性向は71.9%となります。

直近4期では100億、200億円当たり前の世界でメガトン級の自社株買いを繰り出してきた

のでさすがに今期はピッチが落ちていますが、設定枠分を買い切った場合には追加で枠

を設定するのが当社なので、総還元性向100%達成のため、追加で70億円程度買ってくる

可能性は十分にありそうです。ただ、中長期的には、「配当性向55%、総還元性向70%」を

掲げているため、早ければ来期から自社株買いのペースは落ちるものとみられます。

 

*参考記事① 2018-01-31 2,012円 ---

小売・金融ともに好調で、株主へのフル還元続く・丸井グループ(8252)。

 

*参考記事② 2017-06-29 1,686円 ---

4期連続で総還元性向100%超へ、丸井グループ(8252)。

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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