【8818】京阪神ビルディング(東証1部) ---
現在値 856円/100株 PER12.4 PBR0.72 3月配当9月配当優待
住友系不動産。データセンター、場外馬券売り場、オフィスなど所有。
配当金は3月末・9月末の合計20円配当のため、配当利回りは2.34%となります。
京阪神ビルディングは株主優待制度を実施しており、3月末の単元株主に対してお米券を
1枚進呈していますので、配当優待利回りは2.85%となります。なお、長期優遇制度も導入
しており、2年以上の保有でお米券は+1枚となり、その場合の利回りは3.36%となります。
業績は以下の通りとなります。
■2015年3月期 売上高 148億円、経常利益 44億円 EPS 50.6円
■2016年3月期 売上高 149億円、経常利益 47億円 EPS 66.9円
■2017年3月期 売上高 143億円、経常利益 47億円 EPS 60.6円
■2018年3月期 売上高 148億円、経常利益 50億円 EPS 66.5円
■2019年3月期 売上高 147億円、経常利益 51億円 EPS 68.7円 ce
□2018年6月1Q 売上高 36.9億円、経常利益 14.7億円 EPS 22.3円(7/27)
□2018年9月中 売上高 72.5億円、経常利益 26.5億円 EPS 33.4円 四e
2018年3月期の売上高は前期比2.9%増の147億円、経常利益は同6.4%増の50.4億円となり
増収増益を確保したほか、期初予算も上回りました。大阪ビジネス地区のオフィス空室率が
この1年で3.6%→2.8%と更に良化し、全国的に見ても需給がかなりタイトになっていることを
追い風に、当社ビルの空室率も2.1→1.5%へと大幅に良化したことが業績を押し上げました。
また、データセンター(DC)ビルである西心斎橋ビルも満床となった他、藤沢のサミット店舗
も通年稼働したため、結果的には全てのアセットセグメントで増収を確保しました。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高は0.7%減となる147億円、経常利益
は同1.1%増の51.0億円を予想しています。1Q において、固定資産に上げてある旭川市内
商業店舗“コープさっぽろ春光店”をタカラレーベン不動産投資法人(ウェアハウジングあり)
に売却したため、この賃料収入が剥落することがおもな減収要因とみられます。その一方、
ボトムラインにはこの売却益が効いてくるため、EPSは66.5→68.7円に上伸します。7月末に
1Qが開示されていますが、通期予想に対して概ねインラインで進捗しています。
今期は2022年3月期を最終年度とする5年中計の2年度目となっており、最終的には売上高
200億円(CAGR7%)、経常利益70億円(CAGR8%)を目指しています。SMBCの天下り経営陣
ばかりの当社の中計は、通常の場合信頼度が極めて薄いものの、昨年3月に大阪城裏手
の大阪ビジネスパークで素地を2,000坪仕込んでおり、2021年2月頃に延床12,000坪を誇る
新しいDCビルを竣工する予定となっております。仮にグロス貸しで坪@1万円、レンタブル率
を9掛けとして保守的にみても、年間売上高は最低12億円は乗ってくる公算です。このほか
虎ノ門でも素地を300坪仕込んでおり、オフィスビルを開発しているため、あと何棟かは買収
でまかなうと仮定すれば、ある程度は現実味のある中計であると言えそうです。
ただ基本的にはデットを膨らませて積極的な物件取得をするという方針であり、中計5年間
で自己資本比率を52.0→46.7%まで落とす計画となっていますが、13年にPOで自己資本を
厚くした経緯や、豊富な手許現金と150億円の有価証券を考慮すれば十分余裕があります。
そのため、配当性向については現行の30%水準を維持する計画となっていますが、既述の
通り今期は特益が出ることもあり、18→20円に2円幅での増配を予定しています。
なお参考までに、3月末現在の含み益は1年前から84億円増えて、580億円となっています。
仮に税率を3割として試算すると、BPSは+750円となり、修正BPSは1,900円→PBR0.45倍
程度になろうかと思います。この含み益は机上のものなので、顕在化することはなかなか
難しいかとは思いますが、ご参考までにということで。
*参考記事① 2017-08-22 688円 ーーー
OBP2千坪取得で新中計確度高まるも、株主還元遠のく・京阪神ビルディング(8818)。
*参考記事② 2017-01-07 624円 ーーー
関西ア銀本店ビル剥落響くも、財務は急改善・京阪神ビルディング(8818)。
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