関西ア銀本店ビル剥落響くも、財務は急改善・京阪神ビルディング(8818)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8818】京阪神ビルディング(東証1部) ーーー

現在値 624円/100株  PER8.9 PBR0.59 3月配当9月配当優待

住友系不動産。データセンター、場外馬券売り場、オフィスなど所有。

配当金は3月9月で合計16円のため2.53%となります。
京阪神ビルディングは株主優待制度を実施しており、3月末の単元株主
にお米券を1枚進呈していますので配当優待利回は約3.26%となります。

業績は以下の通りとなります。
■2013年3月期 売上高 136億円、経常利益 38億円 EPS 51.8円
■2014年3月期 売上高 140億円、経常利益 37億円 EPS 46.1円
■2015年3月期 売上高 148億円、経常利益 44億円 EPS 50.6円
■2016年3月期 売上高 149億円、経常利益 47億円 EPS 66.9円 
■2017年3月期 売上高 144億円、経常利益 45億円 EPS 57.5円 ce修正
□2016年9月中 売上高 72億円、経常利益 24億円 EPS 31.0円(10/28)

2016年9月中間の売上高は前年同期比4.5%減の72億円、経常利益は同1.7
%増
の24億円となりました。2015年8月に関西アーバン銀行本店が入居する
心斎橋アーバンビルを
244億円で売却したため、賃料収入が大きく落ち込み
代々木公園のイッセイミヤケ一括ビルの新規購入(2015年5月/60億円)に
よる賃料収入の増加では埋めきれませんでした。

なお今2017年3月期通期予想も中間時点で修正しており、売上高は3.6%減
の144億円、経常利益は5.9%減の45億円に減額しています。江坂のデータ
センタービルで大型の解約があったこともあり、空室の埋め戻しに苦戦して
いるため、この6か月で稼働率が1.9%→2.5%に0.6%も悪化していることが主な
要因です。調達金利低下による利益増加でもカバーしきれない見通しです。


既述のとおり、心斎橋アーバンビルの売却の影響はいまなお大きいものの、
244億円という巨額な売却額と、13年に40億円の公募増資をした経緯がある
ので、有利子負債の削減がもの凄い勢いで進んでおり、13年の634
億円から
直近残高417億円まで減少しています。この間に
D/Eレシオも1.5倍から0.7倍
へ急激に改善しています(※反面、金利低下の恩恵も大きく減っています。)


当社は中期目標値として、2018年3月期に売上高200億円、営業利益70億円
を掲げていますが、残り1年強で売上高ベースで50億円を積み上げるのは、
物件を「高買い(業界用語で高値掴み)」しまくらない限り、まず無理な数字の
ため、未達公算が高いと思われます。


配当についても、2018年3月期に年間20円配を予想しておりますが、当社は
増配しても、期に1円程度が関の山なので、今期も現時点では据置16円配を
予想しているものの、
1~2円増配(17~18円)は不可避と思われます。既述
のとおり、
財務も急改善しているので、物件が買えていない以上、株主還元
に振り向けない理由が徐々に乏しくなってきています。


*参考記事① 2015-06-20 748円 ーーー
首都圏で物件取得を加速、お米券優待の京阪神ビルディング(8818)。

*参考記事② 2014-06-24 543円 ーーー
京阪神ビルディング(8818)から株主優待のお米券がキタのでレビュー。


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