【7893】プロネクサス(東証1部) --
現在値 1,310円/100株 PER18.4 PBR1.69 3月配当優待 9月配当
上場企業のディスクロージャー、IR支援大手。開示用システムに強み。
配当金は3月末・9月末の年2回合計30円のため、配当利回りは2.29%となります。
また、プロネクサスは株主優待制度を導入しており、3月末時点で単元株を保有する株主
に対して500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.67%となり
ます。なお、長期保有優待を導入しており、1年以上の場合は+500円分、3年以上の場合
は+1,000円分、5年以上の場合は+1,500円分のクオカードを追加で進呈しています。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 211億円、経常利益 20.3億円 EPS 43.7円
■2016年3月期 売上高 209億円、経常利益 22.5億円 EPS 56.3円
■2017年3月期 売上高 215億円、経常利益 25.4億円 EPS 62.1円
■2018年3月期 売上高 224億円、経常利益 28.8億円 EPS 66.3円(4/27)
■2019年3月期 売上高 230億円、経常利益 28.5億円 EPS 71.0円 ce
□2018年9月中 売上高 131億円、経常利益 28.5億円 EPS 71.0円 ce
2018年3月期の売上高は前期比4.2%増の224億円、経常利益は同13.4%増の28.8億円となり、
期初計画を上回り連続で2桁の増益を確保しました。4年連続で上場企業数が増加したこと等
を背景に、招集通知カラー化による単価増や、英文翻訳や投資信託の目論見書の受注増加
が業績のドライバーとなり、前期にあった大型IPO案件の剥落の穴を埋めきりました。なお、
営業外で投資事業組合の運用益が2.4億円計上されており、経常利益段階で効いています。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高が2.4%増の230億円、経常利益は1.4%
減の28.5億円と減益を予想していますが、これは前の期に計上された運用益一時金の剥落
によるものであり、実態としては増益予想となります。上場企業開示、上場企業IR、金融商品
開示の主要3セグの全てで増収を見込んでおり、特に招集通知やシステム分野での伸長が
見込まれるものの、これまで業績をけん引してきた招集通知カラー化による単価増は、競合
他社(宝印刷)との受注単価競争の激化により一服となる見通しです。
今期は3年中計の最終年度となっており、売上高230億円・営業利益率12.2%(≒28.0億円)を
目標値に置いていましたが、今期はその中計計画値どおりの予算となっており、順調な進捗
が確認出来ます。今後の伸びシロとしては、上場企業数自体の増加と、宝印刷からシェアを
奪うこと以外では、IR関連業務を川上から川下に至るまで一括で引き受け、BPO等のニーズ
を拾っていくことや、スマホ対応した招集通知の拡販、また、内装屋であるラックランド(9612)
と提携した日系外食/小売企業の海外進出支援業務を成長のドライバーとする方針です。
当社は財務的にも非常に良好な状態が継続しており、6億円の有利子負債に対して136億円
もの手許現金を抱えており、これといった使い道もないため、じゃぶじゃぶの財務状況です。
そのため急速に株主還元へと舵を切りつつあり、直近6期で発行済株式の約25%相当の自社
株買いを実施し、実に64億円相当の自社株を買い上げたほか、本年5月には発行済株式の
8%分を消却しています。そのため、直近6期における総還元性向は、年間平均111.7%に及び、
爆裂高還元状態となっています。また当社の場合は自社株買いで報いる傾向が強いですが、
同じく高還元で知られる競合の宝印刷は配当で報いる傾向が強く、同社は4年振りの増配に
踏み切る(50→54円)と観測されている状況ですので、“還元競争”にも期待したいところです。
*参考記事① 2015-08-20 905円 --
自社株買い連発で高還元性向、プロネクサス(7893)のレビュー。
*参考記事② 2014-08-11 762円 --
長期保有株主優遇のクオカード優待銘柄、プロネクサス(7893)のレビュー。
![]() |
新品価格 |
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。