【9319】中央倉庫 (東証1部) --
現在値 1,200円/100株 PER19.0 PBR0.59 3月配当優待 9月配当
内陸の総合物流でトップクラス。倉庫上位の安田倉庫と連携。
配当は3月末・9月末の年2回、計22.5円のため、配当利回りは1.88%となります。
中央倉庫は株主優待制度を導入しており、3月末の単元保有株主に対して、お米券を2枚
進呈しておりますので、配当優待利回りを算出すると約2.60%となります。なお、3年以上の
継続保有で、お米券が1枚追加されますので、その場合の利回りは約2.97%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 235億円、経常利益 14.7億円、EPS 47.3円
■2016年3月期 売上高 238億円、経常利益 17.0億円、EPS 71.7円
■2017年3月期 売上高 247億円、経常利益 17.4億円、EPS 59.6円
■2018年3月期 売上高 260億円、経常利益 17.9億円、EPS 65.9円(5/10)
■2019年3月期 売上高 265億円、経常利益 18.5億円、EPS 63.0円 ce
□2018年9月中 売上高 132億円、経常利益 9.5億円、EPS 32.5円 ce
2018年3月期の売上高は前期比5.4%増の260億円、経常利益は同2.8%増の17.9億円となり、
小幅ながら期初予想を上回る水準で着地しました。倉庫業界全体としては、入出庫高・保管
残高ともに前年を上回り好調に推移したものの、燃料費上昇と人手不足による原価率の切り
上がりにより、利益がなかなか追いつかない状況となりました。当社においては、付加価値の
高いソリューション型の一貫物流に取り組んだ結果、倉庫事業、運送事業、国際貨物事業の
主要3セグで全て増収を果たしましたが、原価率の上昇により利幅の改善幅は限られました。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高が1.8%増の265億円、経常利益は3.3%
増の18.5億円を計画しています。倉庫業界全体として、国際貨物が好調に推移しているため
梱包・通関業務の伸長が見込まれるほか、昨年新設した栗東のPD梱包場と久御山倉庫2棟
が通期稼働効果が期待されます。このほか、昨年来取り組んでいる適正料金収受の取組み
(要は値上げ)による採算性の改善余地がありますが、どこまで転嫁出来るかは不透明です。
今期は3年中計「FORWARD2018」の最終年度であり、計画策定当初は売上高260億円・経常
利益18億円を見込んでいましたが、今期の期初時点でこの数値を上回る予算を立てている
ため、今回中計も前回中計同様に達成確実圏かと思われます。かような状況のため、早くも
次期中計が意識されますが、その“種蒔き”としての大規模倉庫新設などの予定もないため、
少なくとも現時点においては次期中計も期待薄であり、中長期の展望がしずらい状況です。
特に当社は自己資本比率8割超の健全財務を誇っており、わずか40億円の借金に対して、
80億円を超える現金と宝HDや堀場製作所、松風等といった同じ京都に拠点を置く取引先の
有価証券を100億円近く保有しており、財務的に持て余している状況です。そのため、株主
還元に舵を切るか、あるいは大規模倉庫の新設といった投資の積極化が期待されるところ
ですが、当社は資本効率の向上にはあまり感心がない雰囲気であり、浮動株が少なく持合
株主ばかりの緊張感のない経営をしているため、基本はバリュートラップ銘柄かと思います。
*参考記事① 2017-07-21 1,062円 ---
好財務の含み資産銘柄だが、消極経営がネック・中央倉庫(9319)。
*参考記事② 2014-07-15 890円 ---
業績安定の中央倉庫(9319)から株主優待のお米券がきました!
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