好財務の含み資産銘柄だが、消極経営がネック・中央倉庫(9319)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9319】中央倉庫 (東証1部) --


現在値 1,062円/100株 PER17.4 PBR0.55 3月配当優待 9月配当

内陸の総合物流でトップクラス。倉庫上位の安田倉庫と連携。

配当は3末・9末年2回、計22.5円のため、配当利回りは2.12%となります。

中央倉庫は株主優待制度を導入しており、3末の単元保有株主に対して、

お米券を2枚進呈しておりますので、配当優待利回りを算出すると約2.94%

となります。なお、3年以上の継続保有で、お米券が1枚追加されます。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 231億円、経常利益 12.8億円、EPS 38.8円 
■2015年3月期 売上高 235億円、経常利益 14.7億円、EPS 47.3円 
■2016年3月期 売上高 238億円、経常利益 17.0億円、EPS 71.7円 

■2017年3月期 売上高 247億円、経常利益 17.4億円、EPS 59.6円 
■2018年3月期 売上高 252億円、経常利益 17.8億円、EPS 61.0円 ce
□2017年9月中 売上高 119億円、経常利益 8.9億円、EPS 31.5円 ce

2017 年3月期の売上高は前期比3.5%増加の247億円、経常利益は同2.5%

増の17.4億円となり、期初予想をやや上回る水準で着地しました。倉庫業

界全体としては、入出庫高・保管残高ともに前年を下回る状況であったも

のの、当社はソリューション型の一貫物流に積極的取り組んだ結果、倉庫

事業、運送事業、国際貨物事業の主要3セグで全て増収を果たしました。

進行期である2018年3月期の予算については、売上高が2.0%増の252億円

経常利益は2.1%増の17.8億円を計画しています。主力の倉庫業において、

今年1月より改築工事に着手した京都支店倉庫の本格寄与は来年以降と

なるものの、栗東に新設中の新梱包場に関しては、本年8月に竣工を予定

しているため、業績寄与が見込まれます。また、複数荷主混載による採算

性改善への取組や、会社側は明言していないものの、適正な料金の収受

(要は運送運賃等の値上)により、労務費の増加を転嫁するとみられます。

 

今期は2019年3月期を最終年度とする3年中計「FORWARD2018」の中間

年度であり、翌期に売上高260億円・経常利益18億円を見込んでいます。

この数字自体は、今期予算が多少上振れれば前倒しで達成出来るレベル

のものであり、前回の中計も数字を守ったので、数字自体が意欲に欠ける

点だけ目を瞑れば十分に走破可能な数字です。会社側はソリューション型

の一貫物流の強化を第一施策としていますが、基本は荷主への値上交渉

と新施設の建設、既存の倉庫等施設の買収等の積極策が望まれます。

 

特に当社は自己資本比率8割超の健全財務を誇っており、わずか40億円

の借金に対し、80億円を超える現金と有価証券(足して160億円)を抱える

超じゃぶじゃぶ企業です。また、賃貸用でない事業用の不動産の簿価は

低いままとなっているため、明らかな含み資産銘柄と言えます。そのため

資産を切り売りして(設備)投資に使うか、思い切って株主還元してほしい

ところですが、当社株は持ち合い状態で浮動株比率も低く、買防策なども

キッチリ具備して緊張感のない経営をしているため、ドラスティックな業績

変化などはまるで期待出来ないところがネックと言えます。


*参考記事① 2014-07-15  890円 ---
業績安定の中央倉庫(9319)から株主優待のお米券がきました!

*参考記事② 2013-02-05 709円 ---
東証1部への統合を狙う中央倉庫(9319)。

 

 

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