【6904】原田工業(東証二部) ---
現在値 823円/100株 PER12.7 PBR1.31 3月配当株主優待
自動車用アンテナで国内首位。日本アンテナの事業部門譲受で国内外拠点を拡充。
配当金は3月一括7.5円配当のため、配当利回りは約0.91%となります。
原田工業は株主優待制度を実施しており、3月末に単元株以上を保有する株主に対して、
3,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.55%となります。
また長期優遇制度を導入しており、単元株を1年以上保有する場合には、クオカード進呈
額が4,000円になりますので、その場合の配当優待利回りは約5.77%となります。
業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 397億円 営業利益 8.6億円 EPS 15.9円
■2016年3月期 売上高 432億円、営業利益 10.7億円 EPS▲4.4円
■2017年3月期 売上高 408億円、営業利益 27.7億円 EPS 27.7円
■2018年3月期 売上高 429億円、営業利益 22.5億円 EPS 35.3円(5/14)
■2019年3月期 売上高 420億円、営業利益 21.0億円 EPS 64.3円 ce
□2018年9月中 売上高 210億円、営業利益 8.5億円 EPS 25.2円 ce
2018年3月期の売上高は前期比5.1%増の429億円、営業利益は同18.9%減の22.5億円となり、
期初予想水準を上回りました。国内向けについては、自動車生産台数の増加と拡販により
セグメントでは増収増益となったものの、国内と並ぶ主力市場であるアジア・北中米向けが、
前期並みの売上を確保したものの、円高影響を受けセグメント減益となりました。また、全社
的にはRD費・物流費が増加したため、これをカバーするには至らず、減益着地となりました。
進行期である2019年3月期の予算については、売上高が2.2%減の420億円、営業利益6.8%
減の21.0億円と続落を見込んでいます。前の期に発生したアジア・北中米での生産トラブル
の影響が尾を引く公算であり、自動車生産台数自体は好調が続くとみられるものの、売上
高も為替影響による目減りが予想されます。
今期は6年長計「HARADA NEXTSTAGE 19」の最終年度となっており、売上高299→400億円、
営業利益3.4→40.0億円(営業利益率10%)へそれぞれ伸長させる目標でしたが、売上は達成、
利益は未達でクローズとなる公算です。2012年に日本アンテナから車載部門(年商60億円)
を約27億円で譲受し、連結で300億円弱となった売上高を、更に100億円積み増しましたが、
原価率の改善が想定よりも進んでない模様です。そのため、足許では長計キャッチアップの
ために購買方法の変更や、工場生産性の改善といった‘コスト構造改革’を進めています。
ただ車載アンテナという商品は、「コネクテッドカー」関連としてうまく紐づいていかない限り、
成長が望めない商品のため、まずは今期後半に策定されるであろう新中計の内容を確認
したいところです(※新中計期間中も多額のRD費が必要となることが十分に予想されます)。
なお財務に関しては120億円ほどの有利子負債を抱えているものの、手許に75億円程の
現金を保有しているため、十分な余力を確保していると考えます。今期の配当は前の期の
記念配当2円50銭を落として、7円50銭配当を予想していますが、配当性向は11%という低
い水準のため、財務の良化が見込まれます。懸念といえば、指定替え狙いとも言える株主
数拡大のための手厚い株主優待制度の導入であり、株主数は前年の1,428名から11,131
名へと激増しています。無論、この位の株主数であれば十分耐えられるとみられるものの、
優待継続のために配当を極力絞るといった‘本末転倒的な’方針も妥当と言えば妥当です。
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