年50店を超える大量出店で、2度の増額修正・ヨシックス(3221)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3221】ヨシックス(東証一部) --

現在値 3,025円 PER22.5 PBR5.7 3月配当優待 9月配当優待

名古屋地盤の居酒屋チェーン。すし居酒屋、低価格均一居酒屋展開。
配当金は年2回合計20円のため、配当利回りは0.66%となります。

ヨシックスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する3末・9末の株主に対して、

3,000円相当の食事券(および食事2割引券10枚)を進呈しておりますので、配当優待利回り

は約2.64%となります。

業績を確認していきます。
■2015年3月期 売上高 90.1億円、経常利益 9.3億円 EPS 55.9円
■2016年3月期 売上高 109億円、経常利益 12.7億円 EPS 69.8円
■2017年3月期 売上高 127億円、経常利益 13.8億円 EPS 84.8円

■2018年3月期 売上高 156億円、経常利益 19.5億円 EPS 118.8円(5/9)

■2019年3月期 売上高 185億円、経常利益 22.4億円 EPS 133.9円 ce
□2018年9月中 売上高 88.3億円、経常利益 10.9億円 EPS 65.5円 ce


2018年3月期の売上高は前年同期比23.2%増の156億円、経常利益は同41.0%増の19.5億円

となり、期初予想及び中間時点で増額した修正予算も大きく上回りました。出店54店に対し、

閉店は僅か4店に留まったため、総店舗数は234→284店(+50店)へ飛躍的に増加しました。

また、月次の既存店売上高についても概ね昨対クリアとなったほか、規模拡大による原価の

逓減効果が発現し、利益はより鋭角的な伸びとなりました。

 

進行期である2019年3月期の予算については、売上高が18.0%増となる185億円、経常利益

14,4%増の22.4億円と連続で2桁の増収増益を予想しています。今期の出店は主力業態の

「や台ずし」を中心に、「ニパチ」「や台どり」を含め、過去最高となる56店の出店を計画して

おります。今期は一年を通じて偏りなく出店していく方針であり、5月上旬時点で既に10店が

名有りとなっていることを考慮すると、今期も計画通りの出店が期待されます。利益の伸び

が幾分鈍くなりますが、人件費の増加を一部織り込んでいることが影響しています。

 

当社は中期目標として、2019年3月期(要は今期)に店舗数300店、売上高180億円・経常

利益18億円(経常利益率10%)の達成を目指していましたが、この公表値については既述の

とおり1年前倒しで達成してしまっております。そのため、足許では目標値を修正しており、

店舗数500店、売上高300億円・経常利益30億円(経常利益率10%)を新たに掲げています。

成長のドライバーに関しては、依然「1.5~2等」立地で出物がある物件を低家賃で賃借し、

自社で抱える建装事業部を活用した低原価・早期完工による高速出店が核となります。

 

核業態である「や台ずし」、廉価業態「ニパチ」、串カツ「これや」に続き、新業態である焼鳥

の「や台どり」を開発して藤井寺に出店していますが、会社側はこの「や台どり」を鳥貴族の

シミラー版として、鳥貴族の未出店エリア(注:鳥貴族もFCと人繰り効率を考慮してドミナント

出店傾向が非常に強い)に先行して田舎出店していく・・といったイメージではなく、おそらく

「や台ずし」の単価で合わなかった地方既存店を、「や台どり」へと業態転換していくような

受け皿としての使い道を考えていると思われます。いずれにせよ、当社は無理に新業態を

開発せずとも、最寄駅乗降客数6千人などの大手チェーンが出店を見送る様な駅でも出店

してしまうので、業態のよしあしが関係ない部分もあり、今の業態数でも十分かと思います。

 

なお、財務に関してはほぼ無借金状態を継続しており、配当も【5→12→16→20円(予】と

連続増配を予定しています。ただこれでも配当性向は15%にも満たない水準であるため、

出店や内装会社を内製化していることによる業態転換時の資金需要の少なさを考慮する

とまだまだ還元出来そうな感じもありますが、使用人への配慮が手厚い当社は、先々の

処遇改善(労働分配率の引の上げ)を見込んで留保しているのかもしれません。

 

*参考記事① 2018-01-04 3,930円 --

通期再増額濃厚だが、バリュエーション妙味は薄い・ヨシックス(3221)。

 

*参考記事② 2017-07-01 1,581円 ---

業績・出店ともに順調も、資金活用は課題・ヨシックス(3221)。

 

 

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