業績・出店ともに順調も、資金活用は課題・ヨシックス(3221)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3221】ヨシックス(東証一部) ---

現在値 1,581円 PER17.4 PBR3.76 3月配当優待 9月配当優待

名古屋地盤の居酒屋チェーン。すし居酒屋、低価格均一居酒屋展開。
配当金は年2回合計12円のため、配当利回りは0.76%となります。

ヨシックスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する3末と
9末の株主に対して、3,000円相当の食事券(と食事2割引券10枚)を進呈
しておりますので、配当優待利回りは約4.55%となります。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 76.3億円、経常利益 5.4億円 EPS 42.7円
■2015年3月期 売上高 90.1億円、経常利益 9.3億円 EPS 55.9円
■2016年3月期 売上高 109億円、経常利益 12.7億円 EPS 69.8円
■2017年3月期 売上高 127億円、経常利益 13.8億円 EPS 84.8円

■2018年3月期 売上高 145億円、経常利益 15.4億円 EPS 90.4円 ce
□2017年9月中 売上高 70.0億円、経常利益 7.5億円 EPS 44.3円 ce


2017年3月期通期の売上高は前期比15.8%増の127億円、経常利益は同

9.4%増の13.8億円となり、期中の増額修正比ではショートしたものの、概ね

期初予想の水準を確保して着地しました。新店38店に対し、閉店が5店に

留まったため、総店舗数が201→234店へと大幅に純増したことによる増収

効果があったものの、五輪と台風の影響で利益が伸び悩みました。

 

進行期の2018年3月期の予算については、売上高が16.6%増の128億円、

経常利益は7.1%増の13.6億円を見込んでいます。今期の新店は主力業態

の「や台ずし」を中心に、前の期を上回る42店を計画しており、閉店の5店

を控除しても純増37店と出店が加速する見込みです。5月時点で既に名有

の物件が13店あるので、出店は概ね計画通り推移しているとみられます。

また月次を開示している既存店の状況に関しては、4月・5月の2ヶ月累計

で100%水準を確保しており、現段階ではこちらも順調と思われます。

 

特に当社のライバルとされる鳥貴族が、出店の遅れで減額修正した矢先

ですので、出店の状況には目が向かいやすい局面ですが、こと当社に関

しては、"乗降客1万人の駅"かつ"30~40坪"等で物件選定しているため、

まだまだ物件選びに苦戦している印象はなく、路面店まで確保出来ている

ため、少なくとも出店面の懸念は少ないと思われます。東京だけを見ても、

渋めの沿線で急行も不停車の地味な駅を選んで出店している印象です。


また、当社店舗は1.5~2等立地物件のため家賃及び差入保証金が安く、

自前で内装建築部隊も擁しているため、資金の持ち出しが少なく、借金を

ネットしてなお30億円近いの現金を抱える好財務状態が続いています。

それにも拘わらず、配当性向は10%台前半に抑えられており、更なる増配

余地がありますが、会社側からは還元意欲を全く感じません。そのため、

地方で不振の居酒屋チェーンをMAするなど、長期目標である売上高300

億円にジャンプするために、手許資金を投じていくことが強く望まれます。


*参考記事 2016-12-08 1,281円 ---

通期増額修正済も、早くも未達懸念燻る・ヨシックス(3221)。

*参考記事 2016-07-03 1,280円 ---
今期は串カツ専門店の出店も、ヨシックス(3221)。

 

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