通期増額修正済も、早くも未達懸念燻る・ヨシックス(3221)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3221】ヨシックス(東証一部) ---

現在値 1,281円 PER15.6 PBR3.29 3月配当優待 9月配当優待

名古屋地盤の居酒屋チェーン。すし居酒屋、低価格均一居酒屋展開。
配当金は年2回合計12円のため、配当利回りは0.93%となります。

ヨシックスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する3末と
9末の株主に対して、3,000円相当の食事券(と食事2割引券10枚)を
進呈
しておりますので、配当優待利回りは約5.62%となります。


業績を確認していきます。
■2013年3月期 売上高 70.3億円、経常利益 5.4億円 EPS 27.9円  
■2014年3月期 売上高 76.3億円、経常利益 5.4億円 EPS 42.7円
■2015年3月期 売上高 90.1億円、経常利益 9.3億円 EPS 55.9円
■2016年3月期 売上高 109億円、経常利益 12.7億円 EPS 69.8円
■2017年3月期 売上高 128億円、経常利益 14.6億円 EPS 81.0円ce修正
□2016年9月中 売上高 61.0億円、経常利益 7.2億円 EPS 45.2円(11/7)

2016年9月中間の売上高は前期比17.6%増の61億円、経常利益は同14.4%
増の7.2億円となり、期初計画をやや上回って着地しました。主力の「や台
ずし」を中心に上期で20店を新規出店しており、合計店舗数は閉店や業態
転換をネットした前期末比純増で18店増の合計219店となり、この新店効果
により増収となったほか、規模拡大によるコスト削減で増益も確保しました。


なお、2017年3月期通期予想についても、1Q時点で増額しており、売上高は
前期比17%増の128億円、経常利益は11.5%増の
14.1億円に修正しています。
通期での出店数は38店舗を見込んでおり、既述のとおり上期で半分の出店
を済ませているほか、追加で11店舗が名有の契約済物件となっているため、
出店は計画通りとみられます。懸念されるのが、足許での既存店売上高の
急低下であり、五輪と台風の影響を受けた8月(95.3%)の数字を、9月(94.9%)・
10月(93.0%)で更に下回ってしまっているため、未達懸念が燻ってきました。

ただ当社の場合は旧来型の居酒屋と異なり、立地も二等立地が多いため、
家賃比率が7%台とかなり抑えられており、出店エリアもバイト時給を抑えた
上で、数も確保しやすい地方・郊外型が中心のため、相対的に低い経費率
の観点から、売上高が未達でもある程度の利益は残る可能性があります。

既存店の苦戦は消費者のデフレ志向と競合店の低価格戦略による理由が
少なくないものと推察されますが(例:鳥貴族の出店やワタミの復調傾向)、
当社も「ニパチ」や「串かつ これや」などの低価格業態を擁しているほか、
内装建築事業部を自社で抱えているため、短期間・低コストでの業態転換
が可能であるため、他社に比べると戦略転換がかなり容易と言えます。


当社は9月29日付で東証一部に指定替えとなり、当初5円だった配当予想
を記念配当込みの12円に7円も増額しています。当社は借金とネットしても
なお32億円の現金を抱える超好財務体質であり、当然ながら鞍替え時にも
増資をしなかったので、もうお金は必要ないレベルにあると推察されます。
そのため、業績未達の場合は、配当再増額なども十分に考えられます。


*参考記事 2016-07-03 1,280円 ー--
今期は串カツ専門店の出店も、ヨシックス(3221)。

*参考記事 2015-12-04 2,100円 --
株式分割と二部指定を予定、中計野心的なヨシックス(3221)。

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