大須一棟レジ売却で含み益を顕在化、「博多かわ屋」に期待・ジェイグループHD(3063)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3063】ジェイグループホールディングス(マザーズ) --

現在値 931円/100株 PER153.4 PBR4.36 2月優待配当8月優待配当

名古屋地盤に飲食、ブライダル、不動産展開。居酒屋『芋蔵』が主力。
配当金は2月末・8月末に1.5円ずつのため、配当利回りは0.32%となります。

 

ジェイグループHDは単元株以上の株主に、食事優待券2,000円分を2月末・8月末に年2回

進呈していますので、配当優待利回りは約4.61%となります。

業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 136.6億円、経常利益 0.9億円 EPS 3.6円 
■2016年2月期 売上高 138.0億円、経常利益 0.7億円 EPS ▲29円 
■2017年2月期 売上高 143.0億円、経常利益 0.6億円 EPS ▲10.4円 

■2018年2月期 売上高 149.6億円、経常利益 1.5億円 EPS ▲3.6円(4/9) 

■2019年2月期 売上高 153.0億円、経常利益 1.6億円 EPS 6.0円 ce 
□2018年8月中 売上高 73.6億円、経常利益 0.0億円 EPS ▲2.5円 ce

 

2018年2月期の売上高は前期比4.2%増の149.6億円、経常利益は同151.0%増の1.5億円と

なり、売上高は過去最高を更新するとともに、期初予想水準を確保しました。天候不順の

影響もあり、既存店売上高は98.0%に留まったものの、前期の大量出店(純増12店)の通期

寄与効果が業績をけん引しました。ただ中身をよく見てみると、“本業”である不動産事業

における大須の賃貸マンションの売却益が売上高段階から乗っており、営業利益ベース

で2億円も寄与しているため、飲食事業単独では実質赤字決算のため注意が必要です。

進行期の2019年2月期の予算については、売上高が2.3%増の153億円、経常利益は3.8%

増の1.6億円を予想しています。前の期に新規開発したマグロ業態「十八代光蔵」やカフェ

バル系海老業態の「SARUBARUSA」、日本酒業態の「おざぶ」などの貢献が期待される

ほか、出店強化中の鳥皮焼鳥業態の「博多かわ屋(※後述)」はFCを含め、足許では既に

12店を展開しており、少なからぬ業績寄与が見込まれます。

 

当社は4月にSMBC日興証券相手に150万株分のMSワラントを発行しており、当初行使

価額は@992円(下限は@451円)で、18%強の希薄化を伴いつつも、概算で15億円を調達

する計画となっております。転換価額が平均いくらになるのかはわかりませんが、調達

した資金のうち7億円を新規出店と改装、残りの8億円ビルや不動産取得に充てる方針

となっています。表向きは新規出店資金となっていますが、当社は基本的に不動産業で

数字を作る会社ですので、“のれん分け”用の店舗ビルを一棟で購入して、社員を独立

させて家賃収入で収益を上げ、あわよくば収益物件として売却するスキームを実現する

ため(ないしは単純な転売用物件購入のため)の資金調達と推察されます。

 

特に実績期は期末の1月に売却した大須物件は簿価が3.7億円と低く、実に2億円もの

“含み益”を顕在化させることで決算の数字を作り上げ、この代わりの物件として、線路

を挟んだノリタケの裏(亀島)で6億円を投じて新築の賃貸マンションを取得しています。

既存保有物件であり、簿価で15億円弱ある名駅の“ダイヤモンドウェイ”も然りですが、

売る気になればいつでも売れる物件を所有しているため、飲食事業がキツい場合には

名駅界隈の好調な不動産市況が、当社の下支えとして機能してくるものと思われます。

 

一応、不動産以外の飲食事業でも、昨年50%の持分を取得した「博多かわ屋」が順調に

推移しており、当該業態は本格的にFCでの店舗展開を始めているため、出店店舗数

次第では加盟金やロイヤリティ(5%)収入の膨らみが期待できます。特に20坪・空中階

でも出店出来るので拡張性が高く、内装投資の償却負担も非常に軽いので、不動産

事業以外ではこの業態の成否が中長期的な当社の成長を占うとみられます。


*参考記事① 2017-06-13 845円 --

名駅前400坪はハイリスクな印象、ジェイグループHD(3063)。

*参考記事② 2016-06-16 778円 --
飲食ビル開発で拡大も今期は一服か、ジェイグループホールディングス(3063)。

 

会社四季報 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
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