相変わらずの低空飛行も、財務基盤は盤石・コックス(9876)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9876】コックス(東証JQスタンダード) ---


現在値 253円/100株 PER702.7 PBR0.59 2月無配 株主優待あり

イオン系カジュアル衣料専門店。GMSやSCに店多い。ブルーグラスと合併。

 

コックスは無配ながら株主優待制度を導入しており、単元株を保有する2月末の株主に

対して、2,000円の優待券を進呈していおりますので、優待利回りは約7.90%となります。

業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 216億円、営業利益 0.3億円 EPS 1.3円 
■2016年2月期 売上高 213億円、営業利益 ▲4.1億円 EPS▲26.7円 

■2017年2月期 売上高 209億円、営業利益 ▲1.5億円 EPS 2.8円 
■2018年2月期 売上高 200億円、営業利益 ▲4.1億円 EPS▲25.9円 

■2019年2月期 売上高 207億円、営利益 2.0億円 EPS 0.3円 ce
□2018年8月中 売上高 108億円、営業利益 ▲1.2億円 EPS▲3.6円 四e 

2018年2月期の売上高は前期比4.5%減の207億円、営業利益は赤字幅が拡大し▲1.5億

円となりましたが、期初計画比でも大きく落ち込みました。これは2Qで晩夏商品が苦戦し

たほか、3Qの台風影響により秋物商品が低調に推移したことが原因で、4Q以降にやや

持ち直したものの、復元出来ませんでした。なお今期は「ikka」店を中心に16店(計画は19

店)を出店し、14店を閉鎖したため、期末の国内店舗数は258店となりました。

進行期の2019年2月期の予算については、売上高が3.5%増の207億円、営業利益は黒転

の2.0億円を予想しています。主力業態である「ikka」において、MDプロセス見直しにより、

SPA効率の改善を狙うほか、雑貨の強化や成長分野であるキッズライン拡充を図ります。

予算前提となる既存店売上高を101.5%で置いていますが、直近12ヶ月の既存店売上高の

仕上がりが94.1%だったことを踏まえると、自律反発的な回復が期待出来る水準かと思い

ますが、新規出店は6店・閉鎖は16店でネットすると「純減10店」なので注意が必要です。


今期は3年中計の2年度目となっており、2020年2月期に売上高240億円(CAGR5%)、営業

利益10億円(大幅な黒転)を見込んでいます。当社の業績信頼度は非常に低く、中計初

年度である実績期から既述のような体たらくですので、中計の定量目標値は無視してよ

いかと思います。当社についてはあまり親会社の支援もないようであり、今期からイオン

籍で旧ブルーグラス役員だった吉竹社長が退任し、イオンとしては傍流のマイカル出身

の寺脇社長が就任しました。当社は中長期的な業容拡大策として中国事業を強化して

いくようですが、寺脇社長はイオン八街店長だったり、メンズ商品部長だったりとあまり

‘立て直し’に来た、と言えるようなキャリアの社長ではないので、これも割引要素です。

 

事業以外のところでは、黒字化した2015年6月に22億円の資本剰余金を振り替えること

で利益剰余金の欠損を埋めて、復配基盤が整ってはいるのですが、慢性的な赤字基調

が継続しているため、配当が出来ない状態が続いています。それでも激安の利息で預託

(推定利息は5ベーシス)しているイオンCMS預け金43億円や72億円もの有価証券を抱

えたキャッシュリッチの無借金企業であるため、どうやっても潰れないのがポイントです。

実際、イオンFSをはじめとする有価証券保有各社からの配当金だけで年間1.5億円程

の配当金を受領しており、当社の経常利益を大きく底上げしています。

 

*参考記事① 2017-05-24  261円 ---

連続赤字で復配遠のくも、謎の低位安定感・コックス(9876)。

 

*参考記事② 2015-05-15 268円 --

利益剰余金への振替で配当開始も?コックス(9876)の短評。 

 

 

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