【3086】J.フロント リテイリング(東証1部) --
現在値 1,806円 PER15.4 PBR1.19 2月配当優待 8月配当優待
百貨店の大丸と松坂屋が統合。関西、中京圏が地盤。子会社にパルコ。
配当金は2月・8月の年2回で合計35円で、配当利回りは1.94%となります。
J.フロント リテイリングは株主優待制度を実施しており、単元株以上を保有する2末・8末
の株主に対して、10%割引優待カードを進呈しております。このカードの持参により、有料
催事が同伴者1人まで無料となるため、仮に入場料1,000円の催事に、2人で年1回行った
場合を想定した際の配当優待利回りは、およそ3.04%となります。
業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 11,495億円、経常利益 404億円 EPS 75円
■2016年2月期 売上高 11,635億円、経常利益 479億円 EPS 100円
■2017年2月期 売上高 11,085億円、経常利益 444億円 EPS 103円
■2018年2月期 売収益 4,699億円、税前利益 482億円 EPS 101円 IFRS
■2019年2月期 売収益 4,850億円、税前利益 496億円 EPS 116円 IFRS ce
□2018年8月中 売収益 2,340億円、税前利益 247億円 EPS 58.4円 IFRS ce
2018年2月期の売上収益は前期比3.8%増の4,699億円、税前利益は同13.3%増の482億円
となり、増収増益を確保したほか、期初予算を上回って着地しました。昨年4月に銀座6丁
目に開業した「GINZA SIX」、11月開業の「上野フロンティアタワー」の不動産賃料収入が
寄与したほか、主力の百貨店事業においては株価の高止まりや、インバウンドの買上げ
が復活したことで、心斎橋店は12ヵ月・東京店は18ヵ月・札幌店は15ヵ月連続で昨対勝ち
となり、中でも心斎橋店はインバウンドSNSや決済対応に注力し、2桁伸長となりました。
なお、パルコに関しては渋谷店の閉鎖や、地方店の不振で減収減益となっております。
進行期の2019年2月期の予算については、売上収益が3.2%増の4,850億円、税前利益は
同2.8%増の496億円と連続で増収増益を見込んでいます。主力の百貨店事業については
システム費用の増加で減益、パルコ事業も新店はゼロゲート2店しかなく、不動産事業も
「GINZA SIX」、「上野フロンティアタワー」が通期寄与するものの、前の期の不動産売却益
が剥落するため、こちらもセグメント減益を予想しています。最終的に微増益となるのは、
その他セグメントの建装等が大幅に伸長することが理由です。
「GINZA SIX」に関しては、従来の消化仕入型店舗ではなく、不動産賃貸収入目的の物件
であり、当物件は森ビル・LVMH・住商との共同事業であるため、当社持分区分の収入が
今期から通年で入ってくる形となります。このほか「Parco_ya」が入居する「上野フロンテ
ィアタワー」は松坂屋上野店南館の建替となりますが、上層階は貸しオフィスとなっており、
この2物件の利益面での寄与が大きくなることから、前の期より百貨店事業から切り出して、
不動産事業として独立させています。当社としては当該セグを今後の成長ドライバーとする
方針であり、三越伊勢丹と同様に百貨店の銘柄の中でも不動産保有比率が相対的に高く
賃借物件の多い髙島屋や丸井あたりよりも“好立地不動産の含み益”を新たな賃料収入と
して顕在化させやすい点は、今後のポテンシャルと言えそうです。
今期は新5年中計の2年目となっており、最終年度である2022年2月期に営業益ベースで
560億円(CAGR6%)を見込んでいます。株主還元姿勢も強まっており、配当性向30%基準に
則し、実績期は2円の記念配当を含むものの、28→35円へ7円も増配しています。今期は
この35円を全て普通配当へ切り替えるものの、“名実ともに”8期連続増配を実現するため
期末までに36円+まで再増配してくる可能性が高いものとみられます。
*参考記事① 2017-06-06 1,649円 --
「GINZA.SIX」開業も業績寄与どこまで、J.フロント リテイリング(3086)。
*参考記事② 2015-06-10 2,159円 --
ついに千趣会まで持分法適用会社化、J.フロント リテイリング(3086)。
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