【3086】J.フロント リテイリング(東証1部) --
現在値 1,649円 PER16.2 PBR1.06 2月配当優待 8月配当優待
百貨店の大丸と松坂屋が統合。関西、中京圏が地盤。子会社にパルコ。
配当金は2月8月の年2回で合計32円で、配当利回りは1.94%となります。
J.フロント リテイリングは株主優待制度を実施しており、単元株以上を保
有する2末・8末の株主に対して、10%割引優待カードを進呈しております。
このカードは有料催事も同伴者1人まで無料となるため、1,000円の催事
に2人で年1回行った場合の配当優待利回りは、およそ3.15%となります。
業績を確認していきます。進行期よりIFRSに移行します。
■2014年2月期 売上高 11463億円、経常利益 405億円 EPS 119円
■2015年2月期 売上高 11495億円、経常利益 404億円 EPS 75円
■2016年2月期 売上高 11635億円、経常利益 479億円 EPS 100円
■2017年2月期 売上高 11085億円、経常利益 444億円 EPS 103円
■2018年2月期 営収益 4690億円、税前利益 447億円 EPS 101円 ce変
□2017年8月中 営収益 2270億円、税前利益 213億円 EPS 48.9円 ce変
2016年2月期の売上高は前期比4.7%減の11085億円、経常利益は同7.3%
減の444億円となり、中間時点での減額修正水準は確保したものの、期初
計画比では大きく未達となりました。筆頭旗艦店の大丸心斎橋店とパルコ
渋谷店が建替休業期間にかかったほか、インバウンド効果の剥落もあり、
堅調な大丸東京店や、パルコ仙台2の開業等では埋められませんでした。
なお進行期の2017年2月期からIFRSへ移行し、従来の売上高に相当する
売上収益は3.5%増の4690億円、税前利益は同5.0%増の447億円を予想し
ています。4月に銀座6丁目に開業した「GINZA SIX」の上乗せ分や大丸や
パルコの不採算店(浦和・千葉)の閉鎖による採算性の改善が寄与します。
足許3-5月も心斎橋店をはじめ、主力各店が円安・株高の追い風を受け、
百貨店事業の既存店は前年をクリアしており、まずまず順調と言えます。
注目の「GINZA SIX」に関しては、従来の消化仕入型ではなく、賃収として
ほぼ通期寄与されることが期待出来るものの、この事業は森ビル・LVMH・
住商(←8F・1,630坪はヒューリックに売却済)との共同事業であり、当社の
持ち分しか賃料が入ってきませんが、今秋開業予定である松坂屋上野店
新南館の売上と賃収は大きく効いてくるものと見込まれます。なお、渋谷
パルコの建替オフィス部分の保留床は当社がヒューリックに売却していま
すので、今期業績には関係ないものの、その分の賃収は見込めません。
ただそれでも当社や三越伊勢丹は、百貨店の銘柄の中でも不動産保有の
比率が相対的に高く、賃借物件の多い髙島屋や丸井辺りと比べると、含み
資産の観点に於いてその差は歴然としていますし、売ることは無いにせよ
「GINZA SIX」も区分なので、資金需要に応じて少しずつ換金することすら
可能ですので、そういう点はB/S的に別途評価することは可能です。
そして今期から新5年中計もスタートしており、最終年度の2022年2月期に
営業利益560億円(CAGR6%)を見込んでいます。株主還元も以前より若干
踏み込まれており、配当性向30%基準により今期は記念配当込みながら、
4円増配の32円配当を予想しており、7期連続増配と増配幅の拡大も実現
しますが、いかんせん5年中計の初年度なので、今期は様子見姿勢です。
*参考記事① 2015-06-10 2,159円 --
ついに千趣会まで持分法適用会社化、J.フロント リテイリング(3086)。
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