業績未達続くが、トップライン成長は著しい。N・フィールド(6077)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6077】N・フィールド(東証1部) --ー

現在値 1,819円/100株 PER66.6 PBR12.1 12月配当 株主優待あり

精神疾患の患者への訪問看護事業。退院患者へ賃貸物件入居支援も。
配当金は年1回の5円の配当のため、配当利回りは0.27%となります。

N・フィールドは株主優待制度を導入しており、単元保有の株主に対して、12月末に

2,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当金と合計した配当優待利回り

は約1.37%となります。

業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 30.2億円、経常利益 4.4億円 EPS 17.9円 
■2015年12月期 売上高 43.5億円、経常利益 4.8億円 EPS 20.1円 
■2016年12月期 売上高 60.8億円、経常利益 4.8億円 EPS 19.3円  
■2017年12月期 売上高 80.2億円、経常利益 5.6億円 EPS 24.2円  

■2018年12月期 売上高 98.4億円、経常利益 96.8億円 EPS 27.3円 ce 
□2018年6月中間 売上高 45.9億円、経常利益 1.6億円 EPS 3.8円 ce 

2017年12月期の売上高は前期比31.8%増の80.2億円、経常利益は同14.8%増の5.6億円

となり、例年通り売上・利益ともに計画未達となりました。新規拠点開設は27拠点となり、

計画を2件程度上回って、営業所から事業所へ統廃合をネットした期末の拠点数は177
拠点へ順調に増加しました。一方、看護師の採用に関しては採用数自体は計画対比で

順調に推移したものの、精神科未経験の看護師の採用が増加したことで現場への投入

が遅れたほか、繁忙/閑散拠点への人繰りが構造上難しいことなども起因して、月間の

看護師1人あたりの訪問件数が計画の100件超から90件弱に低迷したことが響きました。

進行期である2018年12月期の予算については、売上高が22.6%増となる98.4億円、経常

利益は22.3%増の6.8億円と増収増益を見込んでいます。既に47全都道府県に出店済で

あり、一部の地域では既に統廃合フェーズに入っていることから、新規の拠点開設は25

程度に抑える方針です。また、足許では順調に看護師の採用が進んでいるため、2017

年10月に新設した教育専任室の活用により、看護師のクオリティの底上げを図ります。

 

当社は収支構造上、固定の人件費割合が高く、採用が進むと半年程度の教育期間も

必要となることから、足許ではその影響が色濃く出る形で経費が先行しています。特に

当社採用の看護師の場合、育児中の看護師の割合が多く、拠点間の移動が出来ない

ため、その辺りの最適化が進まないと収益がなかなか安定してこないのがネックです。

会社側予算は未達傾向が強くあまり信用できませんが、一応直近3期のトップラインは

CAGR3割の破竹のペースでしっかり伸びていて、進行期予算はこれまでより保守的な

数字を置いてきたので、今期達成出来るかどうかにまずは注目したいと考えています。

また、株主還元に関しては総還元性向50%水準をメドに還元してきましたが、足許では

「配当性向25%+自社株買い」といった形に還元方針をやや修正してきています。拠点も

基本的に賃借のため資金需要もなく、無借金・好財務のため還元してしまっても良いの

ですが、5円の配当をずっと据え置いていることを鑑みるに、一部上場企業として投資

ユニバースに組入されるために、申し訳程度に配当している感じなのかもしれません。


*参考記事① 2017-03-30 1,459円 ---
業績未達も拠点拡大は順調、N・フィールド(6077)。

*参考記事② 2016-04-17 1,798円 --
業績絶好調で一部へ鞍替、N・フィールド(6077)。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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