【3230】スター・マイカ(東証一部) --
現在値 2,256円/100株 PER19.0 PBR2.64 5月配当優待 11月配当優待
中古区分所有マンションへ投資し賃貸と売却を組み合わせて物件運営。
配当金は5月11月の年2回で合計31円で、配当利回りは1.37%となります。
スター・マイカは株主優待制度を実施しており、100株以上の5末株主に対して1,000円
分のクオカードを進呈しているほか、11末の株主には2,700円相当の美容・健康・生活
関連商品(基本的にノエビアの入浴剤)を進呈しておりますので、これらを合算した場合
の配当優待利回りは約3.01%となります。
業績を確認していきます。
■2014年11月期 売上高 139億円、営業利益 19.0億円 EPS 42.9円
■2015年11月期 売上高 193億円、営業利益 24.6億円 EPS 61.6円
■2016年11月期 売上高 209億円、営業利益 32.5億円 EPS 92.7円
■2017年11月期 売上高 230億円、営業利益 35.7億円 EPS 114.2円
■2018年11月期 売上高 260億円、営業利益 36.6億円 EPS 118.4円 ce
□2018年5月中 売上高 151億円、営業利益 23.0億円 EPS 76.9円 ce
2017年11月期の売上高は前期比10.0%増の230億円、営業利益は同9.7%増の35.7億円
となり、期初予想水準を確保して着地しました。主力の中古マンション販売/賃貸事業の
伸び幅は更に縮小したものの、高付加価値のリノベ商品の投入や、物件特性に応じた
販売戦略の実施により、利益率が多少改善しました。インベストメント事業については、
品川区民住宅の一棟卸販売等が効き、当該セグメントは前年比で3割程度の増収増益
となり、引き続き中古マンション以外の不動産売買で“伸び代”を稼ぐ構図となりました。
進行期である2018年11月期予算については、売上高が12.9%増の260億円、営業利益
は同2.6%増の36.6億円を予想しています。中古マンション販売事業は下期以降に数字
が集中しやすい傾向があるものの、進行期予算に関しては上期偏重型の予想となって
おり、インベストメント事業の物件売却を上期に予定しているものと推察されます。
当社は2019年11月期を最終年度とする3年中計で、売上高は235億円(CAGR4%)、営業
利益は35億円(CAGR2%)というヘタすると初年度単年だけで達成しそうな“ヨコヨコ目標”
を置いていましたが、案の定初年度だけで数値達成するところとなりました。そのため、
本年1月に新5年中計として再度ローリングしており、最終年度である2022年11月期に
売上高230→500億円(CAGR17%)、営業利益は35→70億円(CAGR15%)という、コンサバ
路線から一転して、かなり強気な定量目標を掲げてきました。この強気予想の背景には
順調な棚卸資産の増加(簿価ベースで448億円、コスト控除後の含み益123億円)により、
向こう数期の数字が作れる目処がついたことも挙げられますが、当社の強みである独自
データベースの性能向上とデータ蓄積量の向上により、仕入・販売・工事管理の効率が
改善され、ひいては仕入→売却サイクルの高速化が進んでいることも挙げられそうです。
(※AI査定やVR物件内覧、民泊などの話もありますが、それらの収益貢献は軽微です)
なお、株主還元については増配傾向を継続【6→7.5→9→14.5→23→29→31円(予】して
いることにくわえ、中長期的な配当性向の目標として30%基準を定めているため、現状の
26%水準はなお増配余力残しです。特に評価出来るのは、当社は昨年7月に東証一部に
無事に指定替えとなったものの、その後の8月に株式分割と株主優待制度の実質拡充を
実施しているため、(顧客兼株主増加のための観点も少なからずあろうかと思いますが、)
今後とも前向きな株主還元策が期待されます。一部上場時にPOがなかったものの、自己
資本比率は3割弱に回復しているので、あとはデットでやりくりしていくものと思われます。
*参考記事① 2017-09-23 1,538円*分割修正済 --
東証一部指定も、予想外の増資“不発”。スター・マイカ(3230)。
*参考記事② 2017-03-17 1,256円*分割修正済 --
3年中計横ばい予想は市況悪化前提か、スター・マイカ(3230)。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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