「Ron Herman」のバケーションレンタル事業を開始、ファーストブラザーズ(3454)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3454】ファーストブラザーズ(東証一部) ---

現在値 1,428円/100株 PER7.11 PBR1.72 11月配当 株主優待あり

不動産の私募ファンド運用と自己勘定投資が柱。首都圏商業施設多い。
配当は11末に18円を予想していますので、配当利回りは1.26%となります。

ファーストブラザーズは株主優待制度を導入しており、11月末時点の単元保有株主

に対し、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.96%

となります。また、1年以上保有を継続する株主にはクオカード進呈額が倍となり、

2単元以上保有時にはさらに倍となりますので、配当優待利回りが維持されます。


業績を確認していきます。
■2014年11月期 売上高 107億円、経常利益 21.5億円、EPS 58.5円 
■2015年11月期 売上高 45.5億円、経常利益 26.5億円、EPS 121円 
■2016年11月期 売上高 146.0億円、経常利益 36.6億円、EPS 162円 
■2017年11月期 売上高 187.0億円、経常利益 30.6億円、EPS 146円 

■2018年11月期 売上高 225.6億円、経常利益 44.5億円、EPS 200円 ce
□2018年5月中 売上高 107.0億円、経常利益 18.0億円、EPS 85.6円 四e 

2017年11月期の売上高は前期比28.5%増の187億円、経常利益は同16.4%増の30.6

億円となり、期初予想を下回って減益での着地となりました。主力の投資銀行事業

においては、北青山のオフィスビルを青山財産ネットワークスに販売するなど、販売

が順調に推移したほか、簿価の低い保有目的不動産の売却を行って“益出し”した

ため、当該セグメントは増収増益となりました。しかしながら、販売予定案件の一部

で期ズレが発生したほか、投資運用事業においては相場が過熱圏にありAMとして

のパフォーマンスを投資家に約束出来る状況にないことから、AM業務受託を控えた

影響もあり、期末AUMがゼロとなったため、利益貢献が殆どありませんでした。


進行期である2018年11月期の予算については、売上高が20.3%増の225億円、経常
利益は45.7%増の44.5億円を予想しております。前述のとおり、投資運用事業のAUM

はゼロなので業績貢献が殆どないものの、主力の投資銀行事業においては、前の期

の期ズレ案件がそのままオンされる(2月決済の千葉県市川市物件?)ほか、積極的

に低簿価資産の入れ替えを行うとみられ、主に利益面が好伸する見込みです。

 

売上の原資となる棚卸資産の推移については、1年前と比べて251→280億円に増加

しているものの、物件数が18→28件へと大幅に増加しており、取扱物件の小型化が

進んでいる印象です。一方で、含み益に関しては68→53億円へと減少しており、本来

の市況を鑑みれば、CAPレートの低下傾向による含み益の増加が期待される状況下

であるため、実態としては過去の仕入れ物件で業績を作ってきている印象を受けます。

 

会社側は中期的な目標として、2020年11月期の売上高総利益ベースで100億円(直近

期実績47.2億円)を目指しております。基本的な戦略としては、保有物件と言いつつも

実は固定資産にしていない低簿価物件で“益出し”して利益を作り、高いレバレッジで

資金効率を高めて回転売買をして売上高を作るモデルと推察されます。ただ当社の

手堅いところは、平残22.4年という超長期ローン(※加重金利は0.92%)を引いており、

なおかつ株主への配当も、配当性向ではなくDOE2%基準と定め、株主還元を絞って
高レバレッジを効かせるための自己資本を安定化させている点は高く評価出来ます。

当社は2015年2月のマザーズに上場し、当初想定公募価格が@1,245円だったところ、

実際は@1,020円まで公募価格を下げさせられた経緯があり、上場時には思うような

資金調達が出来ませんでした。そのため、(多分に株主優待導入効果はあるものの)

足許の株価水準はPO可能圏ですので、一層の業容拡大のためにも、この辺で資金

調達を期待したいところです。不動産以外の地熱発電事業は全く進んでいる感じが

ありませんが、足許ではUDS(旧都市デザインシステム;現在は小田急子会社)企画の

七里ガ浜商業施設「WEEKEND HOUSE ALLEY」に、ロンハーマン(サザビーリーグ)の

ライセンスを取って、バケーションレンタル事業を始めるなどしています。収益化には

時間がかかりそうですが、オシャレ系CIの不動産ファンド会社のモデルケースとして

は悪くないと思うので、こういう業容拡大のタネを早く増やして欲しいと思います。

*参考記事① 2017-03-04  866円*分割修正済 ---

低簿価の保有物件はあとどれだけ?ファーストブラザーズ(3454)。

*参考記事② 2015-07-18  1,259円*分割修正済 ---
2Qで通期予想を超過し再増額気配、ファーストブラザーズ(3454)。

 

 

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基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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