業績絶好&財務良化で、MAによる外部成長に期待・インフォコム(4348)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4348】インフォコム(東証一部) ---

現在値 2,117円/100株 PER12.8 PBR2.16 3月配当 9月配当株主優待

システム開発とネット配信の2本柱。電子書籍首位級、医療・ERP強化中
配当は3月9月の年2回で、合計38円のため配当利回りは1.79%となります。

インフォコムは株主優待制度を導入しており、9月末時点に100株超を保有する

株主に対して、スイーツ等に交換できる1,000円分の自社サイト向けのポイント

を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.26%となります。なお長期優遇

制度もあり、3年以上の保有で進呈ポイントが倍の2,000円分となりますので、

その場合の配当優待利回りは約2.73%まで上昇します。

業績を確認していきます。 
■2014年3月期 売上高 391億円、営業利益 36.7億円 EPS 74.0円
■2015年3月期 売上高 403億円、営業利益 36.0億円 EPS 79.4円
■2016年3月期 売上高 403億円、営業利益 44.2億円 EPS 26.6円
■2017年3月期 売上高 417億円、営業利益 47.7億円 EPS 119.2円
■2018年3月期 売上高 460億円、営業利益 56.0億円 EPS 164.5円 ce
□2017年9月中 売上高 212億円、営業利益 23.6億円 EPS 93.7円 
□2017年12月3Q 売上高 314億円、営業利益 34.0億円 EPS 122.5円(1/30)


2017年9月中間期の売上高は前年同期比9.7%増となる212億円、営業利益は同

46.9%増の23.6億円となり、期初予想を上回りました。主力のITサービス事業にお

いて、ヘルスケア領域が順調に推移し、データセンター関連領域の撤退剥落分を

吸収して増収増益となったほか、ネットビジネス事業における「めちゃコミック」は

相変わらず好調を維持しており、同サービスの売上高は段階から前年比14%の

伸びを確保したほか、TVCM等広告費のスケールメリットが効いてきているため、
営業利益率は一段の伸びを示しました。

なお、2018年3月期通期の予算についても中間時点で増額しており、売上高こそ

前期比10.1%増の460億円を据え置いたものの、営業利益は同17.2%増となる56.0

億円(従予:53.0億円)に修正しています。前期苦しんだITサービス事業に関しては

ヘルスケア分野において病院・製薬向けの堅調な推移が見込まれるほか、介護

向けのAI、IoT等のサービスの伸長が期待されます。また、ネットビジネス事業に

おける「めちゃコミック」は市場自体が高成長を続けているため、セグメント売上高

目標の210億円は完全に射程に捉えています。当社は1月末に3Q 決算を通過し

ていますが、例年4Q期間に数字が寄りがちであることを考慮すれば、十分に好進

捗と言える内容であり、増額後の会社予算からの上振れもありえると思います。

 

今期は2020年3月期を最終年度とする中計初年度となっており、3年後の売上高

を417→600~800億円、EBITDAを58→70~100億円に伸長させる計画です。レンジ

の下限がオーガニック成長の数字であり、上限がMA込みの外部成長ありの数字

となっています。前回の5年中計で掲げた営業利益50億円は若干の未達となった

もののほぼ達成しているほか、今回中計も「めちゃ」の売上高成長のモメンタムと

スケールメリットによる増益効果を考慮すれば、無理のない定量計画と思います。

 

特に業績のけん引役となる「めちゃ」は年率2桁を超える成長が見込まれる中で、

決済手段の多角化や、集英社(小学館)・双葉社といった大手出版社との提携に

よる独占先行配信にくわえ、女性向けマンガの共同開発を行ったりしているため、

Amazonに次ぐ電子書籍2位として、他社を大きく引き離すための手打ちを加速さ

せています。中計期間でMAがあるとすればこの分野が濃厚であり、玉石混交の

電子書籍市場で、読者を抱える他の事業者をMAして、当社会員として取り込む

ことで、(システム費や広告費的に)非常に効率の良い業績成長が期待出来ます。

「めちゃ」関連以外にも、大東建託系の医療事務大手のソラストに2.7%を出資し、

介護記録システムを開発し、導入を済ませており、今後は当社が元来得意とす

る病院向けとこうした介護向けの有機的な結合による、業容拡大やMA、親会社

の帝人との協業推進も、中期的な成長の軸として期待出来ます。


最後に財務状況ですが、当社引き続き無借金状態を維持しており、170億円弱

の現金を抱えているため、買収余力も有り余っています。株主還元に関しても

配当を8期連続での増配【15→16.5→17.5→18.5→22→25→38円(予】を予想し

ており、今期は13円もの大増配となりますが、中計目標値の配当性向30%基準

には到底及ばないため、早期に45円+レベルまでの増配が期待出来そうです。

 

*参考記事① 2017-08-31 2,684円 ---

「めちゃコミック」堅調で1Q好発進、増配幅も急拡大・インフォコム(4348)。

 

*参考記事② 2017-01-23 1,665円 ---

「めちゃコミック」収穫期で全社業績を底上げ、インフォコム(4348)。

 

 

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