システム開発とネット配信の2本柱。電子書籍首位級、医療・ERP強化中。
配当は3月9月の年2回で、合計25円のため配当利回りは1.50%となります。
インフォコムは株主優待制度を導入しておりまして、9月末時点に100株超
を保有する株主に対して、スイーツ等に交換できる1,000円分の自社サイト
ポイントを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.01%となります。
なお長期優遇制度もあり、3年以上の保有で進呈ポイントが倍の2,000円分
となりますので、その場合の配当優待利回りは約2.70%まで上昇します。
業績を確認していきます。
■2013年3月期 売上高 373億円、経常利益 34.9億円 EPS 74.5円
■2014年3月期 売上高 391億円、経常利益 36.8億円 EPS 74.0円
■2015年3月期 売上高 403億円、経常利益 36.9億円 EPS 79.4円
■2016年3月期 売上高 403億円、経常利益 45.5億円 EPS 26.6円
■2017年3月期 売上高 450億円、経常利益 50.0億円 EPS 109.7円 ce
□2016年9月中 売上高 193億円、経常利益 16.2億円 EPS 38.3円(10/31)
2016年9月中間の売上高は前年同期比3.2%増の193億円、経常利益は同
30.0%増の16.2億円となり、期初予想比で減収増益となりました。主力のIT
サービス事業で、医療機関の投資抑制が響き、ヘルスケア分野が減収と
なったほか、企業向けのSIer分野も期ズレが発生しました。他方で、ネット
ビジネス事業で電子書籍「めちゃコミック」が想定超で推移し、セグメントの
営業利益は前年同期比倍増となり、全社業績を大きく底上げしました。
なお今2017年3月期通期の売上高は11.6%増の450億円、経常利益は9.7%
増の50.0億円の期初予想を据え置いています。ITサービス事業は低調な
ヘルスケア分野が前期並み程度に推移するとみられるほか、SIer分野も
成長する見通しです。ネットビジネス事業は、「めちゃコミック」が牽引する
公算で、QoQでほぼ右肩上がりの売上増となっており、直近2Q単独では、
約45億円もの売上を叩き出しています。そもそも当社の全社業績は従来
より下期に偏重する傾向があるため、進捗率的には微妙ですが、上期の
時点でここまで数字を作れていれば、今期の予算は鉄板かと思われます。
「めちゃコミック」に代表される当社の電子書籍事業ですが、既述の通り、
単独四半期で45~50億円規模にまで成長しており、有料会員も100万人
を超えています。この電子書籍市場(特にコミック市場)は年率2割程度の
成長を続けており、業界首位級の当社も似たような成長率をマークして
います。Amazonだったり、パピレスやイーブックだったりとコミックの電子
書籍だけでも競合は幾らでもいるのがネックですが、当社は帝人の信用
力で開拓した大手出版社・取次等のリレーションや10年の業歴、一頃の
ザッパラスのように、F1層を囲い込んでいる点がエッジとなっています。
また、注力中のヘルスケアに関しても親会社の帝人とともに業容拡大を
目論んでおり、大東建託系の医療事務大手のソラストが展開する200件
の介護施設のIT化を進める計画となっております。医療事務・医療画像
システムが既に相応の規模まで育っているため、このソラストとの提携を
機に介護施設システムが伸長すれば、中長期的に大きな柱となります。
最後に財務状況ですが、当社は業界屈指の好財務企業として知られて
おり、無借金で120億円の現金を抱えております。そんな状況ですので、
【15→16.5→17.5→18.5→22→25(予】、と6期連続での増配を予定してい
ますが、自社株買いはさほどやらない傾向にあり、好業績や還元余力の
わりに総還元性向は手薄と言えます。詳細については言及しませんが、
当社株でのリターンは帝人様のご意向次第・・・というところでしょうか。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。にほんブログ村