3年中計は大増額着地濃厚で、はや新中計待ち・シード(7743) | なちゅの市川綜合研究所

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【7743】シード(東証一部) --

現在値 6,000円/100株 PER35.7 PBR5.14 3月配当株主優待

コンタクトレンズ業界の大手。眼鏡、眼内レンズも展開。
配当は3月末の一括27.5円配のため、配当利回りは0.46%となります。

シードは株主優待制度を実施しておりまして、単元株以上を保有する3月末の

株主に対して1,000円分の商品(自社製品の場合は10,000円分)を進呈しており

ますので、通常の配当優待利回りは約0.62%となります。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 191億円、営業利益11.5億円 EPS 58.8円
■2015年3月期 売上高 187億円、営業利益 5.4億円 EPS 25.3円
■2016年3月期 売上高 218億円、営業利益 8.9億円 EPS 57.7円 

■2017年3月期 売上高 244億円、営業利益 15.1億円 EPS 105.0円
■2018年3月期 売上高 276億円、営業利益 20.0億円 EPS 167.7円 ce修正
□2017年9月中 売上高 138億円、営業利益 11.9億円 EPS 105.2円(11/9) 

2017年9月中間期の売上高は前年同期比14.8%増の138億円、営業利益は同

55.7%増の11.9億円となり、期初予想を上回って着地しました。主力のコンタクト

事業において、1Day型の乱視用・近/遠視用が、スペック拡充と広宣費投入に

より計画対比108%の売上高を確保したほか、サークルレンズも底堅く推移し、

工場での生産効率の向上も相俟って、利益が特に大きく伸長しました。

2018年3月期通期の予算も本中間時点で増額しており、売上高が前期比12.8

%増の276億円(従予:265億円)、営業利益は同31.7%増の20億円(従予:18億円)

に其々修正しています。期初時点ではコンタクト事業については8%程度の売上

成長を見込んでいたものの、足許では約15%の成長モメンタムを維持している

ほか、昨年9月に竣工した鴻巣工場/3号棟の稼働開始より、月間のコンタクト

生産可能枚数が「3,250万枚→4,250万枚/月」へ大幅に増強していることから、

旺盛な需要を背景として、原価率の等比級数的な改善効果が見込まれます。


今期は3年中計の最終年度であり、当初は売上高を187→240億円、営業利益

は5.4→15億円という無謀な目標数字を持っておりましたが、何れも既に前期

ベースで達成しているほか、既述の通り今期単独でも大増額ペースですので、

早くも次期中計の数字を待つ形となります。このペースで次期の中計期間に

入った場合、“発射台”が相当高くなってしまうため、会社側では慌てて研究

開発費用を積み増して(6.6→9.2→13.4億円)、高品質品やDDS(薬送レンズ)

の投資を強化をしているような状況であり、会社側姿勢には余裕を感じます。

なお、新中計の見所は遅れ気味の海外展開であり、ここが伸びるストーリー

示されるようであれば、バリュエーション的に一段の評価余地が生じます。

 

株主還元に関しては、前期の60周年記念配当(5円)を一部指定記念配当に

切り替え、27.5円配当の据置を予想しています。破竹の好業績が続いている

にも拘らず、記念配を足しても20%に満たない配当額は失望感があるものの、

鴻巣3号棟の建設のためデット中心に約50億円突っ込んでいて、自己資本

比率が久々に20%台にまで落ち込んでいるため、仕方ないかもしれません。

ただ今回の3年中計が無事に大幅に上振れ着地した場合、財務が再び良化

することも事実であり、幅としては35円までの増配は期待出来ると考えます。

 

*参考記事① 2017-08-16 2,774円 ---

野心的中計だが、増額ローリングで気配絶好か・シード(7743)。

*参考記事② 2015-07-14 1,217円 ---

同業のメニコンがついに上場、シード(7743)から優待がきました。

 

 

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