大型のMSCBこなし、財務状況が急改善・TOKAIホールディングス(3167)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3167】TOKAIホールディングス(東証1部) ---


現在値 1,016円/100株 PER20.1 PBR2.30 3月配当優待9月配当優待

東海地盤。LPガスのザ・トーカイとCATV等のビック東海が統合。
配当は3月9月の合計28円配のため、配当利回りは2.76%となります。

TOKAIホールディングスは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末に

100株以上を保有する株主に対して、500円分のQUOカードや1,900円分の

"水セット"など選べる優待を進呈しており、還元率の高い"水セット"の場合

で配当優待利回りを算出した場合、約6.49%となります。

業績を確認をしていきます。
■2014年3月期 売上高 1,889億円、営業利益 73.9億円 EPS 22.7円 
■2015年3月期 売上高 1,875億円、営業利益 90.0億円 EPS 34.2円

■2016年3月期 売上高 1,809億円、営業利益 82.4億円 EPS 30.0円 
■2017年3月期 売上高 1,786億円、営業利益 127億円 EPS 64.5円 

■2018年3月期 売上高 1,895億円、営業利益 114億円 EPS 51.3円 ce  
□2017年9月中 売上高 849億円、営業利益 31.1億円 EPS 9.76円(10/31)

2017年9月中間期の売上高は前年同期比3.3%増の849億円、営業利益は

同29.3%減の31.1億円となり、おおむね期初予想の水準で着地しました。

CATV事業において、2月に買収した東京ベイ社の連結子会社化を前倒し

で進めたことや、情報通信事業でのMVNOの会員増が寄与し増収を確保

しました。一方、利益に関しては、MVNOの顧客獲得費用が膨らんだほか、

LPガス事業における競争激化とそれに伴う解約引き止め費用が増加して

減益にはなったものの、会員増が順調に進んだため、予算を上回りました。


2018年3月期の通期予算は据え置いており、売上高は前期比6.0%増となる

1,894億円、営業利益は10.5%減の114億円の減益を見込んでいます。LP

ス事業において、積極的な展開エリア拡大のための拠点投資と顧客獲得費

嵩むほか、「LIBMO」のブランドで展開するMVNOに顧客獲得費用を投じ

ため、会員顧客増加による利益の増加分では埋めきれない見通しです。


今期は向こう4年の新中計の初年度となっており、最終年度の2021年3月

に売上高3,339億円(CAGR17%)、営業利益225億円(CAGR15%)を目標として

います。達成へのドライバーとして、MA・アライアンス投資に1,000億円もの

巨費を投じる計画であり、基本戦略としてはMA等による展開エリアの拡大と、

CATV・ガス石油・情報通信等の既存会員に他商品も売るクロスセル比率

現在の7%から20%へ引き上げることが軸となります。実際、CATV事業のMA

については既述の東京ベイ社だけでなく、本年1月にも岡山のテレビ津山社

を相次いで買収しており、足許ではCATVに注力した会員獲得が目立ちます。

 

また、どちらかというとオーガニックではなく、MAをメインとした外部成長策

よる野心的な定量目標値を掲げているため、財務状況が気にかかりますが、

2015年にMSCBを約100億円刷っており、昨年末までに全ての転換が済んで

おります(※最後に残った4億円分はクリーンアップで償還)。そのため、懸案

だった低い自己資本比率も、上期末時点では36%にまで上昇しているため、

それにともない買収余力や株主還元余力が回復してきています。

 

ということで、今回中計に関しては始まったばかりなので、MAの推進状況

見守りたいと思いますが、株主還元については、前期に配当を14→28円へ

一気に倍増させたうえに、会社側は「中計期間中も最終益の増加に応じて

増配する」というアナウンスをしています。特筆すべきは、重しとなっていた

MSCBが消えたことで、自社株買いを含めた株主還元策の自由度が増えた

ため、既に手許にある83万株と合わせた消却なども期待したいところです。

 

*参考記事① 2017-08-04  866円 ---

希薄化リスク残るも、高成長・高配当銘柄の風格・TOKAIホールディングス(3167)。


*参考記事② 2014‐08‐22 496円 ---

手厚い株主優待、TOKAIホールディングス(3167)の業績レビュー。

 

 

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