サイボウズのリプレイス狙う、好財務のネオジャパン(3921)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3921】ネオジャパン(東証マザーズ) --

現在値 974円/100株 PER23.6 PBR4.81 1月配当優待 7月優待

企業や官公庁向けにクラウド/パッケージ型のグループウェアの販売。
配当予想は4.25円となっており、配当利回りは0.22%となります。

ネオジャパンは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する

1月末・7月末の株主に対して500円分のクオカードを進呈しております

ので、配当優待利回りは1.46%程度となります。

業績を確認していきます。
■2015年1月期 売上高 17.2億円、経常利益 2.6億円 EPS 28.7円 
■2016年1月期 売上高 19.0億円、経常利益 3.8億円 EPS 39.9円

■2017年1月期 売上高 21.1億円、経常利益 4.2億円 EPS 41.3円

■2018年1月期 売上高 23.0億円、経常利益 5.5億円 EPS 41.1円 ce
□2017年7月中 売上高 11.2億円、経常利益 2.6億円 EPS 24.9円(9/12) 

2017年7月中間期の売上高は前年同期比9.6%増の11.2億円、経常利益
は同31.7%増の2.6億円となり、期初予想を上振れました。クラウド型製品

が主力の「desknet’s NEO」のユーザ数増加にともない、前年比16.5%増

と好伸したほか、プロダクト型もそこそこ伸長しました。費用面では自社

開発ソフトの資産額計上が想定を上回ったことや、営業費用の未消化が

あったことより、経常利益は予算に対して3割強上振れしました。


2017年1月期通期の予算に関しては売上高が前期比8.7%増の23.0億円、

経常利益は5.3%増の4.5億円となる期初予想を据え置いています。クラ

ウド型のユーザー増加数が、直近3.5年間で年率40%というハイピッチで

増加していており、これらがストック的に寄与してくることや、プロダクト型

からの乗り換え、他社からの乗り換えの増加を見込んでいる模様です。


当社は中長期計画を開示していないものの、会社側のコメントによれば

2021年1月期までの向こう4年間で、2017年1月期業績に対しおよそ倍の

売上・利益を目標としており、逆算すると年率成長率は2割弱となります。

本邦のグループウェア市場は、大企業は外資系3社IBM、マイクロソフト、

Google、中小企業向けはサイボウズや当社がシェアを取ってきましたが、

近年のクラウド型への移行にともない、IBMの「Notes」が縮小し、大企業

向けは他2社の「office365」や「Google Apps」に集約されつつあります。

 

一方、中小企業向けはクラウド型の如何にかかわらず、グループウェア

そのものの普及率が未だ40~50%程度に留まっているため、その分の伸

び代と、直接的な競合となるサイボウズからのリプレイス需要の獲得が

成長原資となります。日経コンピュータ誌での満足度調査では、ここ数年

当社が同社に水をあけている状況や、同社のクラウド型サービスよりも

相対的に安価であり、サービスインも当社の方が早かったことを併せて

勘案すると、今後は同社からある程度シェアを奪っていくと思われます。

 

ちなみに財務については、無借金状態が継続しており、現金を24億円の

ほか投資有価証券を7億円超保有しております。基本的にはストック型の

モデルで資金需要もあまり発生しない(と思われる)ので、現状の1割程度

の配当性向はあまりに過少であり、今後は業績伸長と配当性向そのもの

の見直しによる等比級数的な増配が期待されます。なお、足許では株主

優待制度の拡充や、流動性向上意図の立会外分売を実施しているため、

マザーズ上場から丸二年が経過し、次のステージを意識しているものと

推察されます。

 

 

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