【3463】いちごホテルリート投資法人(東証REIT) ---
現在値 114,300円/1株 PER17.8 PBR0.9 1月分配 7月分配
ホテル特化型、スポンサーはいちご。バリューアップによる賃収増に特徴。
予想分配金は年2回の合計6,411円配で、分配金利回は約5.60%です。
業績を確認していきます。
■2016年7月期 営業収益 7.7億円、経常利益 3.9億円 DPU 2,825円
■2017年1月期 営業収益 15.6億円、経常利益 8.0億円 DPU 3,267円
■2017年7月期 営業収益 16.8億円、経常利益 7.9億円 DPU 3,101円
■2018年1月期 営業収益 17.7億円、経常利益 8.2億円 DPU 3,187円 ce
■2018年7月期 営業収益 18.0億円、経常利益 8.3億円 DPU 3,224円 ce
2017年7月期の営業収益は前期比8.2%増の16.8億円、経常利益は1.2%減
の7.9億円で着地し、期初予想比で減収増益となりました。分配金は当初
予想の3,043→3,101円へ58円上振れしました。変動賃料物件のRevPAR
が予算前提値8,302→8,237円、へと下振れしたものの、修繕費の削減や
水道光熱費の減少等による費用の削減で、予算分配金を確保しました。
なお、自己資金とデッドでGPI横浜(182室)を3月に取得しています。
なお進行期の2018年1月期の営業収益は4.9%増の17.7億円、経常利益
は8.2億円と増収増益を見込んでおります。変動賃料物件のRevPARの
前提値は8,221円としており、比較可能な前年同時期と比べると約2.5%
の収入増を見込んでおります。既述の横浜の通期寄与に加え、7月に
取得したUI広島(171室)が新たにオンされます。一方の費用に関しては
昨年のPOで買った10物件の固都税費用化影響を今期もひきずるため、
ボトムラインである予想分配金は50円増の3,187円を見込んでおります。
当法人の特徴は他のホテルREIT4本(JHR・INV・星野・森トラH)の分配金
利回りが軒並み4~5%で推移しているのと比べ、5%台後半となっており、
利回りが高いのが特徴です。スポンサーのいちごは中古不動産売買が
得意な会社であるため、ホテルのブランド力で売るというよりも、不動産
のバリューアップにより、宿泊キャパシティ自体を引き上げる戦略を得意
としています。不稼働宴会場を客室にコンバージョンしたり、ちょっと広い
部屋はダブルベッドにしたり、エクストラ付の3ベッド部屋に変更したりと、
インバウンド狙いでADRをカチ上げる、やや力押しの戦略が目立ちます。
また、他のホテルREITよりも変動賃料比率が4割超と比較的高く、ホテル
市況次第でアップサイドが狙えるものの、リスクは高めとなっています。
特にグリーンズ(6547)に賃貸しているような小振りのコンフォートが固定
賃料となっていて、心斎橋や京都四条のような旗艦物件が変動賃料付
のため、インバウンドの影響をそれなりに受けやすい構造のREITです。
既に稼働率もかなり高いところまで来ているので、ホテル市況の反転が
何より怖い状況ですが、それでもLTVは40%以下の水準でコントロールし
ており、POに頼らずとも一定の余力を残しています。また、かような財務
状況もあってか、今般J-REITとしてはインベスコに次いで2例目となる
自社株買いを発表しており、年末の買付期限を待たずに約3億円(1.1%)
の枠を全て買い切っております。P/NAVで見るとかなりの割安圏に放置
されていた背景も踏まえると、会社の投資主側へのメッセージは強力な
ものがあり、しばらくPO出来ない(しにくい)制約はあるものの、やるべき
ことはやっている点は、きちんと評価してもよいものと考えています。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。