バッドロケーションに“前のめり”でリスク上昇か、バルニバービ(3418)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3418】バルニバービ(東証マザーズ)  --

現在値 2,902円/100株 PER29.6 PBR5.46 7月配当優待 1月優待

カフェ・レストランを直営展開。水辺・公園・公共施設など出店独自色。
配当金は1月・7月合計15円配当のため、配当利回りは0.52%となります。

バルニバービは株主優待を実施しており、1月末・7月末に単元株を保有する

株主に対して2,000円分の優待券を進呈していますので、配当優待利回りは

1.89%となります。なおこの他に長期優遇制度として、店舗での割引や限定の
イベントに参加出来るメンバーシップ制度が用意されています。

業績は下記の通りとなっております。
■2014年7月期 売上高 59.5億円、経常利益 2.5億円 EPS 46.4円
■2015年7月期 売上高 66.4億円、経常利益 4.8億円 EPS 81.3円
■2016年7月期 売上高 84.6億円、経常利益 5.8億円 EPS 88.5円 
■2017年7月期 売上高 98.2億円、経常利益 6.2億円 EPS 92.0円 

■2018年7月期 売上高 118億円、経常利益 7.2億円 EPS 97.9円 ce
□2018年1月中 売上高 55.0億円、経常利益 3.2億円 EPS 40.6円 ce

2017年7月期の売上高は前期比16.0%増の98.2億円、経常利益は同5.9%増

の6.2億円となり、期初の予算は未達だったものの、中間時点での減額予算

を無事に確保して、増収増益での落着となりました。前期に続いて積極的な

出店を実施しており、9店の店舗純増により期末店舗数は78店となりました。

既存店に関しても前年並みで推移したため、トップラインは概ね計画通りと

なったものの、滋賀の簡易宿泊所の費用増等により利益面は停滞しました。


進行期である2018年7月期通期の予算については、売上高が20.1%増の118

億円、経常利益は15.4%増の7.2億円を予想しております。店舗純増は前年と

同水準の10店程を見込んでおり、水戸(8月)・守山(11月)・日比谷(3月)・京都

(5月)の4店が既に新店として“名有り”となっております。既存店については

おそらく前年並み想定と推察されるものの、上記の新店と前年出店店舗の

通期稼働効果、これにくわえ10月末に子会社化したリアルテイスト(※後述、

当社持分66%・年商14億円・利益僅少)が、ほぼ通期で寄与する見通しです。

そしてこの“名有り”新店に関して細かく見ていくと、水戸は茨城県下唯一の

百貨店である京成百貨店の付近の繁華街ながら、駅18分の難立地であり、

双日都市開発(所有はサムティ)により再建中のピエリ守山も難易度が高く、
誘致により破格の家賃が期待される日比谷(三井不動産の新ミッドタウン)

くらいしか数字の読める新店がない状況です。当社の場合、物件の当たり

ハズレが大きく、テラス席比率が高く天候にも左右されるため、今期もまた

ボラタイルな業績推移となることが見込まれます。

なお3億円弱の株式交換で子会社化したリアルテイストは、「串亭」など14

店舗を運営し、年商14億円を挙げる名前の通った中堅の外食企業であり、
揚物中心で当社既存業態とも被らず、天候影響も比較的軽微であるため、

夏期偏重型業績の当社にとっては、業績の平準化効果が見込まれます。

全般的な印象として、「バッドロケーション」の出店が増えてきた印象が強く、

京都などは5億円出して土地から買っているので、会社全体がリスク志向

に振れてきた感じです。来期も土浦(来年11月)といった更なる高難度立地

へと舵を切っているため、個人的には大手ディベロッパーの評判を落とさな

いように、ひとまず200坪級の都心大型店である日比谷の安定稼働に注力

するのが本筋と考えておりますので、その辺のバランスのとり方には注目

していきたいと思います(日比谷は三井不動産の超目玉事業でもあります)

 

*参考記事① 2017-05-06 2,527円 --

個店経営は早くも曲がり角、バルニバービ(3418)。

 

*参考記事② 2016-10-30 3,235円 --

バルニバービ(3418)から優待券とメンバーカードが到着したので、業績所感。

 

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