個店経営は早くも曲がり角、バルニバービ(3418)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3418】バルニバービ(東証マザーズ)  --

現在値 2,527円/100株 PER30.0 PBR5.28 7月配当優待 1月優待

カフェ・レストランを直営展開。水辺・公園・公共施設など出店独自色。
配当金は1月・7月合計15円配当のため、配当利回りは0.59%となります。

バルニバービは株主優待を実施しており、1月・7月末現在の単元株主
2,000円分の優待券を進呈していますので、配当優待利回りは2.17%

なります。なおこの他に長期優遇制度として、店舗での割引や限定

イベントに参加出来るメンバーシップ制度が用意されています。


業績は下記の通りとなっております。
■2013年7月期 売上高 51.8億円、経常利益 2.7億円 EPS 32.9円  
■2014年7月期 売上高 59.5億円、経常利益 2.5億円 EPS 46.4円
■2015年7月期 売上高 66.4億円、経常利益 4.8億円 EPS 81.3円
■2016年7月期 売上高 84.6億円、経常利益 5.8億円 EPS 88.5円 
■2017年7月期 売上高 98.0億円、経常利益 6.2億円 EPS 83.9円 ce修正
□2017年1月中 売上高 46.1億円、経常利益 2.2億円 EPS 33.9円 ce

2017年1月中間期の売上高は前年同期比16.4%増の46.1億円、経常利益
は8.4%減
の2.2億円となり、期初予想を大きく割り込みました。天候不順に
よるテラス席稼働悪化と新店の立ち上がり遅れ、「ザカレンダー」の初期
費用増加、イベント開催等の費用の増加が響きました。


なお今2017年7月期通期の予算も減額しており、売上高は前期比15.7%増
の98億円(従:102億円)、経常利益は5.2%増の6.2億円(従:
8.0億円)に其々
修正しています。会社側は上期の凹み分は取り返せず、下期でも同程度
に凹むものとみており、前期に4Q で一気に巻き返したことを考慮すると、
保守的な見立てともと言えますが、達成確度については微妙だと思います。


下期は「ガイアの夜明け」でも取材された豊中のベーカリーや滋賀・草津の
公園の複合店舗の稼働に加え、5月以降にも江古田の複合店舗、奈良市の
観光センターの新規出店を控えてますが、会社側が"バッドロケーション"と
称するリスク立地も含まれ、上期にあったような予期しない臨時費用の発生
(ex.認知が低いことによる追加広告費用など)も十分に想定されます。

特に上述した豊中の新店は、本来であれば飲食店の書き入れ時である12月の
開業予定を逃して、予定より2か月も遅れており、まだまだ会社側の意図する
複合業態への対応力が弱い印象です。当社店舗は個別性が極めて強く、運営
ナレッジも属人的で共有化されずらいので、デメリットも大きいと思います。

会社側は分社化することによるスタッフのモチベーションの向上と人件費抑制
を図っていますが、今はバッドロケーションではなく好立地・好条件の出店を
進めて利益基盤の充実を図る時期であり、正念場に差し掛かったと言えます。
また、業績悪化が見えていた段階での増配(10円→15円)開示も消化難であり、
これまでより"上っ面"を意識した経営である点に関しても、若干気掛かりです。



*参考記事① 2016-10-30 3235円 ---
バルニバービ(3418)から優待券とメンバーカードが到着したので、業績所感。

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