10年で営業益CAGR18%・配当10倍の大目標、アバント(3836)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3836】アバント(東証二部) ---

現在値 1,948円/100株 PER23.7 PBR4.72  6月配当 記念株主優待実績

連結経営・会計システムのパッケージソフト開発、ライセンス販売など。
配当金は6月の年1回20円で、配当利回りは約1.02%となります。


アバントは株主優待制度を実施しておりませんが、直近期末については、

創業20周年記念としてVISAギフトカード1,000円分の進呈がありました。

業績を確認していきます。 
■2014年6月期 売上高 83.0億円、経常利益 10.7億円 EPS 66.4円
■2015年6月期 売上高 89.2億円、経常利益 7.9億円 EPS 42.8円    
■2016年6月期 売上高 96.0億円、経常利益 11.1億円 EPS 70.4円 
■2017年6月期 売上高 105億円、経常利益 13.0億円 EPS 70.6円 

■2018年6月期 売上高 112億円、経常利益 12.2億円 EPS 80.1円 ce
□2017年6月中 売上高  53.7億円、経常利益 5.6億円 EPS 25.6円 四e

2017年6月期の売上高は前期比9.6%増の105億円、経常利益は17.6%増の

13.0億円となり、期初計画を上回りました。ライセンス販売は前期の大型

案件の剥落により減少したものの、導入業務(DIVA)とSIer業務(ZEAL)の

コンサル系2業務、およびこれに付随する連結決算・納税業務等のアウト

ソーシング受注がIFRS対応ニーズの高まりを背景に堅調に推移しました。

なお、最終利益段階では(お約束の)不採算案件で特損を計上しています。

進行期である2018年6月期の予算については、売上高が6.8%増の112億円

経常利益は▲6.5%減の12.2億円と一転して減益を予想しております。前の

期に続き、IFRSやガバナンスの高度化の時代背景が追い風となり、大手

企業を中心とした1,000社弱のシステム導入先からの安定した受注の確保

が期待されるものの、直近1年で従業員が603→709名に激増しているため

人件費およびオフィス賃料の増加が大きく収益を押し下げます。特に今期

は2013年に買収したジール社ののれん代(年1.1億円)の償却負担の重荷

が期中で解消されますが、その良化分でも穴を埋めきれない見通しです。


今期は当初3年中計の最終年度となっており、売上高117億(CAGR9.5%)、

経常利益は13.5億円(CAGR19.4%)は概ね達成可能な水準にあるものの、

期初予算上は未達の見込となっています。そしてこの計画の完遂を待た

ずして、今年8月に新中計にローリングしており、3年後の2020年6月期に、

売上高13,433億円(CAGR8.4%)・営業利益16.2億円(CAGR7.6%)の目標値に

修正しています。本来であれば達成可能圏である旧中計を全うしてから、

というのが筋ですが、ここ一年でやっと大量の人材を確保出来たことや、

人材集約型モデルである当社は、いわゆる「働き方改革」対策費用として

今後はある程度人工に余裕を持たせる必要があるため、その辺の基盤作

り費用を織り込み、あえて数値をローリングしてきたものと推察されます。

 

また中計をローリングする一方で、向こう10年の長期計画も開示しており、

2027年6月期に営業利益68.3億円(CAGR18%)という壮大な目標を掲げてい

ます。R&D、M&A、海外展開などで実現していく方針ですが、あまりに漠と

した内容ですので、確度は新中計の進捗を睨みながらの判断となります。

 

また、本長計では「配当10倍(単純計算で年160円)」の目標も新たに掲げ

ており、こちらも画餅的ではありますが、足許の当社の株主還元姿勢は、

急速に充実していることも事実であり、配当金【9→11→16→20円(予】も、

と純資産配当率4%水準での大幅な増配傾向が続いていることを鑑みると、

あながち夢物語でもない印象も受けます。特に今期は減益予想でも4円も

の増配を予想しているほか、直近の記念株主優待の実施など、これまで

の当社の株主還元姿勢とは明らかに一線を画する動きとなっているので、

引き続き要注目と言えそうです(9月22日に東証二部市場に指定変更済)。


*参考記事① 2016-10-02 558円*分割修正済  ---+
今期減益も、意欲的な中計値は据置。アバント(3836)。

*参考記事② 2015-10-01 657円*分割修正済 ---
中計未達も配当方針の変更により増配へ、アバント(3836)。

 

 

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