【3277】サンセイランディック(東証1部) --
現在値 936円/100株 PER8.2 PBR1.09 12月配当 6月株主優待
権利関係が複雑な不動産を買い取り、関係調整したうえで再販。
配当は6末12末に合計15円のため、配当利回りは約1.06%となります。
サンセイランディックは株主優待を導入しており、単元株以上を保有する
6月末の株主に対して、「パンの缶詰」を2缶進呈しておりますので、適当に
2缶800円として計算した場合の配当優待利回りは2.45%となります。なお、
1年以上保有を継続する株主には1缶増えて3缶の進呈となります。
業績をチェックしていきます。
■2013年12月期 売上高 91.8億円、経常利益 8.0億円 EPS 66.0円
■2014年12月期 売上高 104.4億円、経常利益 10.4億円 EPS 90.2円
■2015年12月期 売上高 115.6億円、経常利益 11.9億円 EPS 90.1円
■2016年12月期 売上高 123.0億円、経常利益 13.2億円 EPS 104円
■2017年12月期 売上高 144.0億円、経常利益 13.7億円 EPS 114円ce
□2017年6月中間 売上高 55.5億円、経常利益 4.5億円 EPS 31.8円(8/10)
2017年6月中間期の売上高は前年同期比6.5%減の55.5億円、経常利益は
同3.1%増の4.5億円となり、大幅減益の期初予想から一転して増益確保と
なりました。底地の販売が減少したものの、名古屋エリアを中心に居抜き・
所有権の販売が増加したほか、前年の本社移転費用の剥落や金利削減
効果などが寄与しました。なお、仕入に関しても会社計画水準で進捗して
おり、棚卸高は半年前より10億円程積み増し、80億円弱を確保しています。
2017年12月期通期予算に関しては、売上高が前期比17.5%増の144億円、
経常利益は同3.4%増の13.7億円と期初予想を据え置いています。もとより
今期は下期偏重計画でしたが、上期の好業績は案件の前倒しが主要因と
いうわけでもなく、マニュアル化や人材の成長、案件の大型化による利益
率の改善など構造的に底上げされた部分が大きく、また既述のとおり売上
原資となる仕入も順調に進捗していることから、今期については上振れへ
の期待がかかる状況です。
今期は3年中計の最終年度であり、定量目標値の売上高は156億円・経常
利益は15.2億円目標でしたので、期初予算の時点で“白旗”計画でしたが
上期時点の業績進捗を鑑みるに、売上高は未達濃厚なものの、利益面は
まずまずのところまで数字が伸びてくる公算となりました。今期中に新たな
中計が策定される見通しですが、そもそも保守的な数字を置いていた経緯
もあるので、例え未達の場合でも本中計の数字の仕上がりには注目です
また、新中計でさらに具体化されるものと思われますが、家賃保証や生活
サポートをする「あんど」社と民泊業務の「百戦錬磨」社と業務提携をした
ことで、障害者支援や民泊ビジネスに本格注力していくこととなりました。
特に売り物になりずらい再建築不可物件を二束三文で買い叩いて民泊で
貸して賃料収入を得たり、(しぶとい賃借人が居座っているような)立ち退き
案件も他の部屋の民泊収入でしのいだり出来るようになるので、仕入の幅
が格段に広がる点で補完性が強く、非常に有意義な提携と言えます。
ただ一つ残念なのは、Klabや楽天トラベルで役員を務めた上山氏が率いる
「百戦錬磨」は、著名ファンドのWiLやクールジャパン機構、昨年も京王電鉄
などから14億円を調達した今をときめくベンチャー企業であり、当社とは6月
に提携こそすれど当社の資本は入れられませんでした(しかもその後の9月
にはJTBと資本・業務提携をしています)。そのため、どこまで当社の業務に
協力してくれるのかは未知数であり、相当数の案件が具体化してくるまでは、
過度な期待は禁物といえます。
*参考記事① 2017-04-27 770円 --
*参考記事② 2016-10-26 709円 --ー
「底地くん」の神通力はどこまで?サンセイランディック(3277)。
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