
【3277】サンセイランディック(東証1部) ---
現在値 709円/100株 PER6.7 PBR0.9 6月12月配当 株主優待あり
権利関係が複雑な不動産を買い取り、関係調整したうえで再販。
配当は6末12末に合計12円のため、配当利回りは約1.69%となります。
サンセイランディックは株主優待を導入しており、単元株以上を保有
する6月末の株主に対して、「パンの缶詰」を進呈しておりますので、
適当に800円(2缶分)として計算した場合の配当優待利回りは2.82%
となります。
業績をチェックしていきます。
■2012年12月期 売上高 94.7億円、経常利益 4.3億円 EPS 33.8円
■2013年12月期 売上高 91.8億円、経常利益 8.0億円 EPS 66.0円
■2014年12月期 売上高 104.4億円、経常利益 10.4億円 EPS 90.2円
■2015年12月期 売上高 115.6億円、経常利益 11.9億円 EPS 90.1円
■2016年12月期 売上高 147.0億円、経常利益 12.9億円 EPS 104円ce
□2016年6月中間 売上高 59.3億円、経常利益 4.4億円 EPS 30.0円(8/10)
2015年6月中間期の売上高は前年同期比38.4%増の59.3億円、経常
利益は同27.4%増の4.4億円となり、ほぼ期初計画線で着地しました。
居抜事業の販売件数が10→20件に増加したため、セグメント売上が
前期からほぼ倍増したほか、主力の底地事業も物件の小口化が見ら
れたものの、件数でカバーし、前年同期比並の売上を確保しました。
なお12月期通期の売上高は26.8%増の147億円、経常利益は同8.0%増
の12.9億円の期初予想を据え置いています。上期の仕入高が45→32
億円に減少したため、棚卸資産もこの6ヶ月で77→70億円に減少して
いますので業績達成はギリギリになる可能性がありそうです。また、
地方出店による経費増や採算性の低下も割り引く必要があります。
今期は翌2017年12月期を最終年度とする3年中計の中間年度であり、
来期の売上高は156億円、経常利益は15.2億円の定量目標を置いて
おります。そもそも当社は保守的な数字の作り方をする会社ですので、
この数字自体は無理のない「走破圏」の範囲かと思います。
問題なのは2018年以降であり、底地プレイヤーの増加による仕入難
や居抜事業("追い出し・地上げ事業")の出口となるマンデべや建売
業者が、今後も高値で買ってくれるかどうかが鍵となります。せっかく
ドブ板で人件費をかけて権利調整して地上げしても、不動産市況の
低迷で採算が悪化するので、市況依存のフロービジネスと言えます。
(新・旧借地法とノウハウの"堀"のよりこちらの問題のが大きいです。)
また、当社株がバリュートラップになりやすいのは、地上げという事業
特性上、"特殊な方面(詳細については言及しない)"とのお付き合いを
避けられない側面があり、当社のような銘柄にはコンプラや内規上、
機関投資家が参戦しずらい・できない面も大きいように思います。
当社は不動産会社ですので、基本は時価総額を上げたい筈ですが、
前述の理由で個人投資家を中心に集金せざるを得ないため、パンの
株主優待の拡充や、イメージキャラクター「底地くん」による個人訴求
施策などを積極的に行っているのは、理解しやすい話であります。
*参考記事 2015-10-07 1,012円 --
期初在庫低調も中間で盛り返す、サンセイランディック(3277)。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。



