現在値 770円/100株 PER6.7 PBR0.9 6月12月配当 株主優待あり
権利関係が複雑な不動産を買い取り、関係調整したうえで再販。
配当は6末12末に合計15円のため、配当利回りは約1.95%となります。
サンセイランディックは株主優待を導入しており、単元株以上を保有する
6月末の株主に対して、「パンの缶詰」を進呈しておりますので、適当に2缶
800円として計算した場合の配当優待利回りは2.98%となります。
業績をチェックしていきます。
■2013年12月期 売上高 91.8億円、経常利益 8.0億円 EPS 66.0円
■2014年12月期 売上高 104.4億円、経常利益 10.4億円 EPS 90.2円
■2015年12月期 売上高 115.6億円、経常利益 11.9億円 EPS 90.1円
■2016年12月期 売上高 123.0億円、経常利益 13.2億円 EPS 104円
■2017年12月期 売上高 144.0億円、経常利益 13.7億円 EPS 114円ce
□2017年6月中間 売上高 53.0億円、経常利益 0.7億円 EPS 2.4円ce
2016年12月期の売上高は前期比6.3%増の123億円、経常利益は同11.1%
増の13.2億円となり、売上は大幅未達となったものの利益は計画線で着地
しました。前の期に好調だった居抜事業の販売件数が61→37件に減少した
ことにくわえ、大型案件が期ズレ持ち越しとなり、売上高は期初予想から
23億円も下回りました。反面、底地事業の件数小幅増と、人件費・手数料
・公租公課の減少により、利益面は年率2桁の成長を継続しました。
進行期である2017年12月期の売上高は17.5%増の144億円、経常利益は同
3.4%増の13.7億円を予想しており、期ズレのわりに売上高は前の期の期初
予想線にも届かない数字を置いています。これは前の期の仕入高が64億円に
留まったため、棚卸資産もこの1年で77→68億円に減少しており、仕入難化
により十分な商品が確保出来ていない状況です。今期は不動産市況の頭打ち
感により仕入に改善の兆しが見られるものの、その分利幅が低下します。
今期は3年中計の最終年度であり、売上高は156億円・経常利益は15.2億円
の「保守的とみられる」定量目標を置いていたものの、今期は期初時点から
大幅に下回る白旗の目標を掲げており、各種マテリアルでも殆ど触れられて
いないことから、未達公算です。特に今期に限ってみれば、期中仕入目標額
100億円を掲げ、期中内の"自転車売買"前提なので、業績確度は不透明です。
また、権利調整(地上)は手間のかかる労働集約的なフロービジネスですので
大手不動産会社などとは殆ど競合しない反面、当社の場合はここ数年で全国
の店舗網と営業マンをかなり拡充してしまったので、ひとたび不動産市況が
悪化すれば思うように出口が取れず、以後の販管費が重くのしかかります。
特に当社の上得意先と見られる戸建業者の雲行きが怪しい点も要注意です。
一点、評価出来る点があるとすれば、仕入れが出来ないぶん財務が良化して
おり、自己資本比率が52.9→63.3%に改善しています。また今期も12→15
円に3円増配を予定しているものの、配当性向はいまだ13%に過ぎません。
そのため、会社側は当面POが難しい状況であることを十分に理解して配当
を絞っている可能性もあり、資本政策的な観点からはまずまずと言えます。
*参考記事① 2016-10-26 709円 --ー
「底地くん」の神通力はどこまで?サンセイランディック(3277)。
*参考記事② 2015-10-07 1,012円 --
期初在庫低調も中間で盛り返す、サンセイランディック(3277)。
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*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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