【3468】AGS(東証1部) --
現在値 1,451円/100株 PER23.0 PBR1.22 3月配当優待 9月配当優待
独立系の情報システム会社。データセンター運用。りそな向けが3割。
配当は3月9月の合計22円配当のため、配当利回りは1.52%となります。
AGSは株主優待制度を導入しており、3月末の単元株主には1,000円分の
VJAギフトカード・同9月末株主には1,000円分のクオカードを進呈しており
ますので、配当優待利回りは約2.89%となります。なお原則として1年以上
保有することが、優待進呈の条件となりますのでご注意ください。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 162億円、経常利益 6.5億円、EPS 24.9円
■2015年3月期 売上高 165億円、経常利益 5.7億円、EPS 33.2円
■2016年3月期 売上高 168億円、経常利益 6.9億円、EPS 44.8円
■2017年3月期 売上高 186億円、経常利益 8.7億円、EPS 160.1円
■2018年3月期 売上高 196億円、経常利益 8.2億円、EPS 63.0円 ce
□2017年6月1Q 売上高 44億円、経常利益 1.9億円、EPS 14.7円(7/31)
□2017年9月中 売上高 88億円、経常利益 3.6億円、EPS 27.0円 ce
2017年3月期の売上高は前期比11.0%増の186億円、経常利益は同25.1%
増の8.7億円と2桁の増収増益となり、予算比では減収増益となりました。
主力の情報処理事業が自治体向けクラウドや、金融機関向けカード発行
業務が伸長したほか、ソフト開発事業も一般法人向けが伸びたため、その
他事業や機器販売事業等も含めた4セグメントの全てで増収となりました。
なお、退職金制度を一部DCへの改変したことにより、退職給付債務を約
12億円減少させたため、特別利益の計上で純益(EPS)が膨張しています。
進行期の2018年3月期の予算に関しては、売上高が4.9%増の190億円、
経常利益は6%減の8.2億円と増収減益を見込んでいます。ソフト開発事業
が案件剥落で減少するものの、機器販売事業の売上が11→20億円へ倍
増する見込みであるほか、同じくサブセグメントであるその他事業が上伸
する公算です。一方で銀行系の当社は、まともに「働き方改革」を推進して
いるため、かかる人件費等の増加により一転して減益が見込まれます。
当社は2022年3月期を最終年度とする長期経営計画を新たに策定してお
り、売上高210億円(CAGR3%)・経常利益10.4億円(CAGR4%)を計画してい
ます。結局、前回の5年中計は売上高は達成・利益はショートしましたが、
既述の人件費が増加していることを踏まえるとほぼ及第点かと思います。
今回中計では、核となるDC(データセンター)を軸としたクラウドの展開や、
売上高が漸増傾向にあるソフト開発事業(SIer業務)に関しても、AIやIoT
などのテーマ性のある付加価値で受注増加を図る計画となっています。
新規性のある取り組みとしては、マーケティング大手のインテージと合弁
でデータエイジという新会社を立ち上げ、同社の営業・分析面のリソースと
当社のDCインフラなどを相互利用していくほか、ソフトバンクからパートナー
認定を受け、‘Pepper’の導入支援サービスなどを開始していますが、収益
化には要時間と思われ、インパクトは限定的かと思われます。
最後に株主還元ですが、当社は上場来ずっと無借金経営を継続しており
手許現金も29億円まで積み上げています。そのため、前の期も2円増配し
て22円配当としたものの、自己資本比率は70.2→74.8%、へと良化の一途
を辿っているため、今期も24円~程度まで、さらなる増配が期待されます。
怖いのは最大のクライアントであるりそなの被合併リスク(切られる)ですが、
りそなが他の銀行とくっつく場合は、他地銀を飲み込む可能性の方が高い
と思われるため、場合によっては商機になるケースもあるかと思います。
*参考記事① 2016-12-28 1,323円 --
マイナンバーの一巡後はBCP伸びる、AGS(3648)。
*参考記事② 2015-12-23 982円 --
年2回の金券優待があるマイナンバー関連銘柄・AGS(3468)。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に
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