マイナンバーの一巡後はBCP伸びる、AGS(3648)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3468】AGS(東証1部) --

現在値 1,323円/100株 PER8.45 PBR1.22 3月配当優待 9月配当優待 

独立系の情報システム会社。データセンター運用。りそな向けが3割。
配当は3月9月の合計22円配当のため、配当利回りは1.66%となります。

AGSは株主優待制度を導入しており、3月末の単元株主には1,000円分
のVJAギフトカード・同9月末株主には1,000円分のクオカードを進呈して
おりますので、配当優待利回りは約3.17%となります。なお原則として1年
以上保有することが、優待進呈の条件となりますのでご注意ください。


業績を確認していきます。
■2013年3月期 売上高 168億円、経常利益 5.4億円、EPS 29.6円  
■2014年3月期 売上高 162億円、経常利益 6.5億円、EPS 24.9円 
■2015年3月期 売上高 165億円、経常利益 5.7億円、EPS 33.2円 
■2016年3月期 売上高 168億円、経常利益 6.9億円、EPS 44.8円 
■2017年3月期 売上高 190億円、経常利益 8.3億円、EPS 156.5円 ce
□2016年9月中 売上高 88億円、経常利益 3.2億円、EPS 23.7円(10/28) 

2016年9月期中間期の売上高は前年同期比比11.4%増の88億円、経常
利益は同13.7%増の3.2億円と2桁の増収増益となり、計画を上回りました。
主力の情報処理事業がマイナンバー絡みの案件増により増収したほか、
ソフト開発事業も一般法人向けが伸び、その他事業や機器販売事業等も
含めた4セグメントの全てで増収を果たしました

なお2017年3月期通期の売上高は12.9%増の190億円、経常利益は14.7%
の8.0億円の期初予想を据え置いていますが、最終利益だけは退職金
制度の確定拠出移行にともない12.1億円増額修正しているため、表面上
のPERは今期のみ著しく良化しています。当社は元々官公需や金融機関
(りそな銀行)向けの案件が多いため、数字が下期に偏重する傾向があり
ますが、大型案件の複数受注があるので今期予算は走破圏と言えます。


そもそも今期を最終年度とする5年中計で、売上高185億円・経常利益10
億円を計画していたため、売上高はやや上振れ・利益はやや下振れでの
決着となる公算が高そうです。それでも不可能と思われた売上高目標を
最後にキッチリ追っつけてきた点や、金融系ならではの信用力を活かした
マイナンバー代行にくわえ、埼玉に本店を置く6つの金融機関をBCP研修
等で囲い込んでいるため、今後は関連するセキュリティ分野などで業容の
拡大が期待できる点など、十分評価が可能な中計だったと考えています。


最後に株主還元ですが、当社は上場来ずっと無借金経営を継続しており
現金が29億円まで積みあがっているため、増配が望まれるところですが、
今期は2円増の22円配止まりとなります。今期は既述のとおり最終利益が
膨らんでいるので配当性向は参考外、かつ、巡航期でも配当性向は40%
程度に達していますが、資金需要がないことや、市場での自社株買いを
しないことも考慮すると、もう一歩踏み込んだ還元策が必要かと考えます。
(新しいデータセンターを建てるとかなら話は別ですが・・・。)


*参考記事① 2015-12-23 982円 --
年2回の金券優待があるマイナンバー関連銘柄・AGS(3468)。

*参考記事② 2013-08-21 462円* ---
AGS(3648)がギフトカード株主優待制度を新設!


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