【9206】スターフライヤー(東証二部) --
現在値 4,270円 PER12.2 PBR1.91 3月無配優待 9月優待
北九州空港を拠点とする新興キャリア、座席広めの独自戦略。ANA傘下。
配当実績は3月末一括20円のため、実績の配当利回りは0.46%でしたが、
今期の配当予想は0円であり、現時点では無配見込みとなっています。
スターフライヤーは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する
3末と9末の株主に対して、半額割引券を各回3枚進呈しておりますので、
1枚1,500円換算した場合の配当優待利回り(推定)は約2.57%となります。
業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 330億円、経常利益 ▲26億円 EPS▲1,061円
■2015年3月期 売上高 347億円、経常利益 9.0億円 EPS 150円
■2016年3月期 売上高 344億円、経常利益 26.5億円 EPS 892円
■2017年3月期 売上高 348億円、経常利益 29.5億円 EPS 673円
■2018年3月期 売上高 370億円、経常利益 20.0億円 EPS 348円 ce
□2017年6月中 売上高 88.7億円、経常利益 5.4億円 EPS 121円(7/28)
□2017年9月中 売上高 180億円、経常利益 14.0億円 EPS 244円 四e
2017年3月通期の売上高は前期比1.3%増の348億円、経常利益は12.6%増
の29.8億円となり、期中の増額修正値も上回って着地しました。本来運用
する航空機9機のうち2機が6年定期点検にかかり、期初予想は減収減益
の計画でしたが、油価($/bbl)が47.1→45.6、為替(円/$)が120.8→108.4と
軒並み想定より良化したことで収益水準が大きく切りあがったほか、販促・
レベニューマネジメントの強化等により、増収増益となりました。
進行期の2018年3月期の予算については、売上高は6.1%増の370億円、
経常利益は33%減の20.0億円と増収減益を見込んでいます。昨年末に親
のANAから新たに1機をリースし始めたことから、計画運休が解消される
見通しであり、コードシェアを含めた生産量が5%増加し増収が見込まれる
ものの、原価となる各種想定レートに関しては、油価($/bbl)が45.6→58.5、
為替(円/$)が108.4→115.5、と相変わらずここでバッファをみています。
なお既に7末に1Qが開示されており、前年同期比14%を超える増収を遂げ
ているほか、油価も為替も当然会社想定以下ですので、順調な業績進捗
が確認できます(※センシティビティ:油価($/bbl)が1$上昇で▲43百万円、
為替(円/$)が1円高で▲83百万円の影響、年あたり営業利益)
なお当社は2021年3月期を最終年度とする中計を、本年4月にローリング
しており、4年後に売上高450億円・経常利益24.0億円を見込んでいます。
直近2ヵ年の予想を上回る業績達成により、直近中計計画も前倒でクリア
していますが、そのわりにはローリング計画は事実上の減額修正にも近い
内容であり、油価と為替を堅めに見ることで数字を抑えている印象です。
トップライン成長に関しては、来年6月期1機を追加する予定であるほか、
チャーター便・臨時便の増発、運休している国際線の北九州=釜山線の
復活、ないしは別路線での国際線の再開などが具体的な取組となります。
また、これまで経営安定化のためのKPIとして「純資産65億円」の数字を
置いていましたが、直近実績期で既に62億円まで積み上げており、財務
面の安定性がかなり増してきましたが、新たに過去の最大損失の3倍の
「純資産100億円」をKPIに設定し直されてしまいました。そのため、記念配
などの適当な理由で実施されてきた配当が、普通配に切り替わる可能性
が遠のいてしまったような印象ですが、マテリアルや説明会QAでも株主
還元の可能性に関してしっかり言及しているので、そろそろ本当の意味で
の有配銘柄となるタイミングが接近してきたと推察されます。
*参考記事① 2016-12-09 3,555円 ---
中間絶好も下期は原油・為替で綱引きか、スターフライヤー(9206)。
*参考記事② 2013-11-29 1,925円 --
業績のヤバすぎるスターフライヤー(9206)から株主優待が届いたので分析。
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