【9381】エーアイテイー(東証1部) ---
現在値 1,101円/100株 PER17.5 PBR3.96 2月配当優待 8月配当
関西発祥の複合一貫輸送業者。日中間の海上輸送で衣料、日用雑貨に強み。
配当金は中間配ありの年2回の計30円で、配当利回りは2.91%です。
またエーアイテイーは株主優待制度を導入しており、単元株以上の株主
に対して、2,000円分の商品を進呈しておりますので、配当優待利回りは
約4.94%となります。
業績を確認していきます。
■2014年2月期 売上高 191億円 経常利益 14.3億円 EPS 47.3円
■2015年2月期 売上高 219億円 経常利益 16.8億円 EPS 53.7円
■2016年2月期 売上高 214億円 経常利益 15.9億円 EPS 54.6円
■2017年2月期 売上高 212億円 経常利益 14.6億円 EPS 51.4円
■2018年2月期 売上高 238億円 経常利益 16.4億円 EPS 58.6円 ce
□2017年8月中 売上高 111億円 経常利益 7.0億円 EPS 25.1円 ce
2017年2月期の売上高は前期比0.6%増の212億円、経常利益は同8.7%減
の14.6億円となり、期初予想を大きく下回りました。コンテナの取扱高は
前期の158千本→179千本に20千本ほど増加したものの、ドル円レートが
前期比で12円近く円高になったため、約6億円の減収要因となったほか、
子会社も同様の為替影響で約8億円の減収となりました。
進行期である2018年2月期の売上高は12.1%増の238億円、経常利益は
12.2%増の16.4億円を予想しております。ドル円想定為替レートは112円、
コンテナ取扱高は179千本→194千本と15千本の増加前提となってます。
また、実際に採用できるかはともかく、今期も46名(※期末社員数606名)
の採用を計画しているため、営業利益率は殆ど改善しない見通しです。
当社は日中貿易に軸足を置いているため、中国情勢の影響を受け易く、
そもそも競争が激しいという弱点があるため、足許では急速に他国拠点
の開設を進めており、昨年8月に米現法、本年1月に台現法、本年4月に
越現法をそれぞれ開設しました。日本とこれら各国の貿易数量を増やす
のはもとより、“三国間貿易”の強化による分散を目指す目的と思われ、
その辺の取組は同業の内外トランスラインと似た様な動きをしています。
中期的な目標値である売上高300億円に向け、上述の三国間貿易への
取組と、利益率の高い通関業務の充実化を図っており、AEO(通関認定)
の新規取得による受注拡大を目指します。本来であれば無借金の優良
財務を活かして、内外ト社と同様にMAによる事業拡大を目指すべきなの
ですが、当社に関してはさほど積極的ではなく、基本的にはオーガニック
成長を前提としている印象があります(通関をはじめまだ自力でイケる?)
株主還元に関しても従来は増配基調でしたが、2年前に大盤振る舞いの
50円記念配当こそ実施したものの、ここ2期は30円を据え置き、今期も同
様となっています。既に配当性向は50-60%に達しているので、なかなか
これ以上は難しいかもしれませんが、MAに使わないのであれば、せめて
株価対策を含め自社株買いを検討してもよい頃合かと思います。
*参考記事① 2015-05-05 1,135円 ---
前期は50円の高額記念配当、エーアイテイー(9381)のレビュー。
*参考記事② 2014-11-03 803円 ---
円安恩恵も中間業績は未達減益、AIT(9381)の中間期レビュー。
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