小型店・ネットスーパーで道内包括へ、イオン北海道(7512)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7512】イオン北海道(東証一部) ーー

現在値 598円/100株 PER15.0 PBR1.69 2月配当株主優待 

北海道のスーパー大手、旧ポスフール。イオンの北海道事業を継承。

配当金は2月一括の10円配当のため、配当利回りは1.67%となります。


イオン北海道は株主優待を実施しており、2末の単元株主に対して、

2,500円の優待券を進呈していますので、配当優待利回りは5.85%と

なります。

業績を確認していきます。
■2014年2月期 売上高 1,726億円、営業利益 84.9億円 EPS 48.5円 
■2015年2月期 売上高 1,725億円、営業利益 80.8億円 EPS 39.9円 
■2016年2月期 売上高 1,881億円、営業利益 79.2億円 EPS 39.9円 
■2017年2月期 売上高 1,845億円、営業利益 82.0億円 EPS 39.6円 

■2018年2月期 売上高 1,867億円、営業利益 84.0億円 EPS 39.8円 ce

□2017年8月中 売上高 913億円、営業利益 31.0億円 EPS 15.1円 ce


2017年2月期の売上高は前期比8.3%増の1,845億円、営業利益は同4.1%

増の82.5億円となり、期初予想比で減収増益となりました。当期から吸収

した旧ダイエーの8店舗が通期寄与して増収したものの、北海道は記録的

な多雨や複数の台風が来た天候影響が大きく、売上は未達となりました。

それでも食品セグの好調により、既存店売上高が昨対99.8%で踏みとどま

ったため、利益に関しては期初計画線を確保しています。


進行期の2018年2月期の売上高に関しては1.2%増の1,867億円、営業利益

は1.7%増の84.0億円と続伸を予想しています。既に旧ダイエー吸収店の上

乗せは巡航しているので、今年度からは真水の実力が試されます。前の

期から店舗改装投資に特に注力しており、17億円超を投じておりますので

不活性の旧ダイエー店舗が、改装により収益化するかが注目されます。

 

当社は2020年2月期を最終年度とする新たな中計を策定しており、3年間

で売上高を1,845→1,950億円、営業利益を82.6→90億円にそれぞれ上伸

させる計画となっています。MD改革やWAONによる地域連携などの施策

はイオン系にはよくある普通の話かと思いますが、全道に即日配達が可

能なネットスーパーを拡大する、という点はなかなか意欲的だと思います。

 

特に当社は、首都圏で600店を数える小型店"まいばすけっと"を地方都市

(札幌市)ながら35店出店しており、この小型店によりスーパーとスーパー

の間に点で入り込み、面を埋める戦略を採っています。北海道の雄である

競合のアークスも"ダ・マルシェ"という小型店を過疎地でスタートしてますが、

当社はGMS・小型店・ネットスーパーで道内を包括していく戦略と思われます。

(※そのため、真のライバルはアークスではなくセコマなのかもしれません)

 

当社は地方イオン企業の中ではかなり安定感があり、既述の通り店舗

改装に湯水のごとくお金を投じてなお、前の期は60億円の借金を減らして

おり、自己資本比率も1年間で5%も改善して37.8%になりました。そのため、

引き続き店舗改装やネットスーパー網の構築に投資が出来ますし、現状

は25%に留まる配当性向を引き上げることも出来る状況であり、この辺の

資金振り向け方で方向性(成長or還元)が見えてくる頃合かと思います。

 

 

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