パイプラインの太さが魅力、森トラスト・ホテルリート投資法人(3478)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3478】森トラスト・ホテルリート投資法人(東証REIT) --

現在値 154,900円/1株 PER6.4 PBR1.5 2月分配 8月分配

ホテル特化型、スポンサーは森トラストと森トラストホテル&リゾーツ。
予想分配金は年2回の合計6,020円配で、分配金利回は約3.88%です。

業績を確認していきます。当社は本年1月のIPO銘柄です。
■2017年2月期 営業収益 22.6億円、経常利益 15.9億円 DPU 3,105円 

■2017年8月期 営業収益 22.8億円、経常利益 15.0億円 DPU 3,010円 ce

2017年2月期の営業収益は予算通りの22.6億円、経常利益も予算通りの

15.7億円となりましたが、分配金が当初予想の3,074円→3,105円に31円

上振れしました。賃料は想定通りだったものの、上場関連費用や金利の

削減など若干のコスト削減があったことが寄与したものです。

なお進行期の2017年8月期の営業収益は22.8億円、経常利益は15億円

と減益を見込んでおります。受取賃料は1千万円の増加を見込んでおり、

歩合賃料算出の対象期間がシャングリ・ラが4月遅れ、コートヤード(CY)

2棟が3ヶ月遅れとなることから、既に今期の数字はあらかた見えており、

CY新大阪以外は概ね堅調に推移している模様です(新宿は固定一本)。

特にシャングリ・ラの賃料ウエイトはポート全体で約4割を占めますので、

月次で開示されている営業状況は歩合観点で非常に重要と言えます。

ちなみに、固都税のオンがあるため分配金ベースでは減額予想です。

 

当法人の特徴は他のホテルREIT4本(JHR・INV・いちご・星野)の分配金

利回りが軒並み4~5%で推移しているのと比べ、上場来高値を更新中の

当法人は利回りが3%台に突入している利回りの低さです。これはひとえ

にスポンサーの力量や外部成長ポテンシャルの差であり、スポンサーの

森トラストは老舗デべというだけでなく、日本で約40年に渡ってホテルの

開発・運営をしてきた実績がありますので、森トラスト側のExitも含めて、

今後とも手厚い供給のパイプラインを有していることを意味しています。

 

今後の取得に関しては、もちろん資金調達状況次第ですが、会社側の

マテリアルに名有りの参考物件として挙がっているのは、赤坂ツインTの

 再開発と銀座マロニエ通り、沖縄恩納村のシェラトン・サンマリーナです。 

この恩納村のサンマリーナは以前レーサムが所有しており、既に築30年

を超えているので、築浅のホテルを「ウリ」にしている当投資法人の投資 

クライテリアから明確に外れるものですが、例外規定もある様ですので、 

都心の低いNOI物件を買う時に抱き合わせる可能性もありそうです。 

 

財務状況については、現在のLTVが47.1%・上限を60%としており、LTVを

保守的に抑えがちな昨今のREITの中ではそこそこの水準となっており、 

既述のとおり株価は上場来の高値水準ですので、否が応でもPOによる 

外部成長が意識されます。当法人は2016年1月から運用を開始しており、 

(これは異例ですが)上場時も売出のみで公募しておらず、いきなり巡航

 しておりましたので、もし初のPOがあれば、非常に注目と言えます。

 

 

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