ローソンの追加出資受入で、小型店による代理戦争へ・ポプラ(7601)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7601】ポプラ(東証1部) ---


現在値 569円/100株 PER31.6 PBR1.73 2月優待無配 8月優待

広島地盤の独立系コンビニ。自社食品供給と歩合ロイヤルティ制に特徴。

今期の配当金は未定ですので、配当利回りは算出していません。
ポプラは株主優待制度として、単元株以上の株主に商品券1,000円分を
年2回進呈してますので、株主優待利回りは約3.51%の利回りとなります。

業績を確認をします。
■2014年2月期 売上高 555億円、経常利益▲7.4億円 EPS▲248円 
■2015年2月期 売上高 487億円、経常利益▲9.2億円 EPS▲194円 
■2016年2月期 売上高 387億円、経常利益▲4.3億円 EPS 6.0円  

■2017年2月期 売上高 332億円、経常利益 ▲4.3億円 EPS 29.2円  

■2018年2月期 売上高 296億円、経常利益 1.6億円 EPS 18.0円 ce 
□2017年8月中 売上高 149億円、経常利益 0.1億円 EPS 6.9円 ce
 
2017年2月期の売上高は前期比14.2%減の332億円、経常利益は赤転の
▲4.3億円となり、昨年比・期初予想比ともに大きく落ち込みました。85店

を出店するも、ローソン化(後述)を含む131店の閉鎖を実施したことにより、

店舗数が大きく純減したほか、ローソン店舗・商品への移行にともない、

人件費・家賃・旧在庫等のロスが発生したことで収益が落ち込みました。

進行期である2018年2月期の予算は、売上高が10.9%減の296億円、経常

利益が黒転の1.6億円を予想しております。これは昨年11月にローソンの

エリア子会社であるローソン山陰に対し、ローソン本体が235店を譲渡する

とともに、当社も54店譲渡して、ローソン山陰を共同経営することとなった

ため、トップラインから大きく減少する見込みです。ただ、本譲渡の対価と

して当社は同社株券の約3割を取得しており、持分法利益が発生します。

 

そして、足許5月にはローソンと当社創業者である目黒氏に対し、10億円

(@530円)の三者割当増資を実施しており、ローソンは8.5億円を追加出資

することで、取引先持株会を抜き、目黒氏に次ぐ第2位株主(5.01→18.27%)

に躍り出ました。中堅コンビニのセーブオンやスリーエフで辿ってきた様に

ローソンによる実効支配が進もうとしていますが、目黒氏の増資引受けに

より、外形的には独立路線が維持される方向に傾いた印象も残ります。

 

ここからが重要な点ですが、本三者割による調達資金は"マイクロ・マーケ

ット"という企業・学校・病院・駅等をターゲットとした閉鎖的小型店の展開

原資に充てられる方針であり、基本的にはローソンでは日販的にあわない

小型店を、当社がポプラのお面を被ってゲリラ的に進める形となります。

要はローソンの商品力(体力)を活かしつつ、当社の低廉なロイヤリティー

スキームも活用して、既存のローソンオーナーや競合他社の目をくらませ

ながらローソン陣営を拡大させるという、代理戦争の面が大きいのです。

 

そのため、ある程度当社の復活(主に店舗数)が見えたところで、ローソン

が更に当社持ち分を増やしにかかる可能性があり、それが何時なのかは

定かではないものの、中長期的には既定路線のような気もします。


*参考記事① 2015-06-09 544円 ---
ローソンの5%出資は「終わりのはじまり」か、ポプラ(7601)の短評。

*参考記事② 2014-11-13 553円 --
出資引受先はまさかのローソン、ポプラ(7601)から株主優待がきました。

 

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