投資家として「足るを知る」ことが大事。 | なちゅの市川綜合研究所

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最近は特に感じるのですが、上手く利益を上げていらっしゃる投資家さん
でさえ、「誰かと比べたらまだまだ」とか「n億円ないと安心できない」とか、
謙遜なのか向上心なのかわかりませんが、少しでも高いパフォーマンスを
上げることに熱心な投資家さんが増えていると感じます。

私個人の意見を言えば、株式投資をやれる時点でそもそも生活に余裕がある
証拠ですし、そこで多少なりとも毎年コンスタントにプラスか横ばいをキープ
していれば、大変優秀だと思うのですが、最近はその辺の満足のハードルが
上がっているように思います。

もう少し具体的に言うと、最近のマネー雑誌では最低1億円の資産があって
ナンボで、数億円〜数十億円あってはじめて凄腕的な風潮すらありますが、
ほんの数年前までは、数千万円あれば十分凄腕投資家の扱いでしたので、
えらい違いです。ネット・SNS等の普及により億り人の可視化が進んだ部分
はあるにせよ、その辺の現実離れ感が一層強まっていると思います。

一方、現実の世界では、給料も物価も大して上がっていないため、理論的に
はどんな投資家さんでも比較的おいしい思いを出来ているはずなのですが、
既述のとおり上の方と比べてちっとも満足されていません。そしてその現状
不満足感をドライバーとして、身の丈からはずれた投資を行ないがちであり、
そこから先は言わずもがなの展開となります。

改めて言うまでもありませんが、現実の世界では1000万どころか、数百万円
すらかなりの大金であり、独身ならまだともかく、所帯持ちの方の場合、自己
裁量で簡単にコントロール出来る金額ではないことは改めて認識する価値が
あると思います。だから総額2、30万円の投資であっても雑に行ってはならず、
手っ取り早く儲けたいからといって、値動き以外はよく知らない銘柄に安易に
ベットすることなども避けなければなりません。

また投資家たるもの、どこか現実世界での金銭感覚をマヒさせないといけない
部分はあるものの、やはり心のどこかで大金を弄っているという感覚は持った
方がよく、そういう意味では儲かったら「実際に現金で出金(※金の延べ棒等
にしても良い)」して、その重みを感じて満足することなども大事かと思います。
そうでもしないと、ひたすら高みを目指して再投資して、結局何とかショックで
大損して終わる・・・といったことにもなりかねません。適当なところで満足する
のことも、実はとても大切なことなのです。


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