全セグメントで躍進、収益盤石化進む・デジタルガレージ(4819)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4819】デジタルガレージ(東証一部) ---

現在値 2,332円/100株 PER20.8 PBR3.29 3月配当 株主優待なし

決済事業、広告、ベンチャー投資など多角展開。持分にカカクコム。

配当金は3月の年1回20円で、配当利回りは約1.14%(年率換算)となります。
デジタルガレージは株主優待制度を実施しておりません。

業績を確認していきます。
■2013年6月期 売上高 279億円、経常利益 30.7億円 EPS60.2円  
■2014年6月期 売上高 337億円、経常利益 44.4億円 EPS60.7円
■2015年6月期 売上高 380億円、経常利益 76.1億円 EPS108.1円  
■2016年6月期 売上高 437億円、経常利益 61.9億円 EPS109.8円
■2017年3月変 売上高 375億円、税前利益 71.0億円 EPS112.5円 ce 
□2016年12月中 売上高 238億円、税前利益 33.2億円 EPS78.6円 

2016年12月期の売上高は前年同期比20%増の238億円、税前利益は同23.3
%増の33.2億円と実に2割を超える
増収増益を確保し、コンセンサス水準を
上回って着地しました。前の期に続きマーケティング(MT)がパフォーマンス
アドの順調な拡大により、前年比で4割以上の飛躍的な増収を確保したほか、
フィナンシャル(FT)
も取扱高成長率が年率15%を超え、好調に推移しました。
インキ
ュベーション(IT)も印大手決済会社Citrusの買収により大型イグジット
を果たし、当上期に於いては主要3セグメント全てで大幅増益を果たしました。


進行期の2017年3月期は持分法のカカクコムと決算期を揃えるため、9ヶ月間
の変則決算となりますが、売上高は375億円、税前利益は71億円を其々予想
しています。事業期間が3ヶ月
短くなるにもかかわらず、7期連続増益の達成
が濃厚であり、2Q時点での利益進捗率も約66% と順調に推移しています。
MTにおいて、当社のビッグデータ技術を活用したターゲティング型Twitter
広告の本格展開が開始されたほか、ベリトランスとイー・コンテクストの2社

抱えるFTも、競合大手・GMOPGの敵失による業績拡大期待がかかります。

今期は中期3年計画の中間年度であり、翌2018年6月期に税前利益150億円、
ROE20%・配当性向20%を計画していましたが、決算期の変更があったため
この定量目標値は実質的には形骸化してしまっています。目標値自体も大変
強気な数字ですので、現実的には巡航する2018年3月期に税前益が100億円
に達すれば御の字かと思われます(※なお、直近6年の売上高CAGRは32%、
最終利益CAGRは42%のため、滅茶苦茶な目標・・・という訳でもない)

当社の強みはカカクコムやTwitterに代表されるITセグメントにおける投資
の目利き力であり、当上期にも新規投資を6.8億円積み上げ、残高ベースで
128億円に達しました。特筆すべきは前中計期間から年25億円程度の利益
をコンスタントに計上できるポートフォリオ構築が進んでいることであり、
年40億円超の持分法利益の寄与があるカカクコムと合算すると、実に年65
億円程度の利益が下支え期待できる状況となっています。MTはやや水物的
な部分がありますが、FTは累積型モデルであることを考慮すると、ネット
広告他社とは比較にならないほど、盤石な収益基盤を構築しつつあります。

そのほか定性的なところでは、トヨタ自動車とのインキュベーション支援や
全日空商事との決済合弁会社設立が進んでおり、本来はDenaが圧倒的
な先行ポジションにあった、レガシー企業とのネット協業についても、先方
の敵失によりおこぼれを拾いやすい状況になっています。老舗ネット企業
の当社は、プレゼンスを一層向上させる千載一遇のチャンスと言えます。



*参考記事① 2016-10-15 1,960円 ---
子のカカクコムに合わせて3月決算に移行、デジタルガレージ(4819)。

*参考記事② 2015-09-23 1,655円 ---
向こう3年の利益成長は年率17%想定、デジタルガレージ(4819)。

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