現在値 1,960円/100株 PER17.4 PBR3.06 3月配当 株主優待なし
決済事業、広告、ベンチャー投資など多角展開。持分にカカクコム。
配当金は3月の年1回20円で、配当利回りは約1.36%(年率換算)となります。
デジタルガレージは株主優待制度を実施しておりません。
業績を確認していきます。
■2013年6月期 売上高 279億円、経常利益 30.7億円 EPS60.2円
■2014年6月期 売上高 337億円、経常利益 44.4億円 EPS60.7円
■2015年6月期 売上高 380億円、経常利益 76.1億円 EPS108.1円
■2016年6月期 売上高 437億円、経常利益 61.9億円 EPS109.8円
■2017年3月変 売上高 375億円、税前利益 71.0億円 EPS109.8円 ce
□2016年12月中 売上高 210億円、税前利益 30.0億円 EPS42.5円 四e
2016年6月期の売上高は前期比14.9%増の437億円、経常利益は61.9億円と
増収減益となりましたが、最終利益ベースでは51.6億円と増益しているため、
6期連続での増収増益を達成しました。マーケティング(MT)がパフォーマンス
アドの伸長により前期比で3割の増収増益となったほか、フィナンシャル(FT)
も取扱高が前期比で2割伸長したため、3割増益を確保しました。ただインキ
ュベーション(IT)が期ズレなどもあり、アイリッジのIPOあるも未達となりました。
なお現在走っている期から決算が3月へと変更になり、2017年3月期(9ヶ月間)
の売上高は375億円、税前利益は71億円を予想しています。事業年度が3ヶ月
短くなりますが、年率換算では2桁の伸びが継続する見込みであり、IT/MT/FT
の従来の主力3セグメントは売上高段階から全て1割近く伸長します。前の期
に未達だったITで複数のイグジットが見込まれるため、利益率が改善します。
今期は中期3年計画の中間年度であり、翌2018年6月期に税前利益150億円、
ROE20%・配当性向20%を計画していますが、今回の本決算マテリアルからは
早くもその数字が消えているので、確度は低めです。ただ予想以上に既存事
業が強く伸びており、MTではクレディセゾン・カカクコムと協業によるデータ
サイエンス事業「DG LAB」による領域の拡大、またFTでも「DG LAB」を活用し
たブロックチェーン技術の導入および派生領域への活用を実証していること
等からMT・FTに関してはオーガニックグロースを十分アテに出来る状況です。
そして最大の業績ブレ要因であるITに関しても、投資残高を前期から21億円
積み増して111億円と大幅に伸ばしている他、大和証券グループと折半出資で
「DG Daiwa Ventures」を立上げ、資産100-200億円の「DG LAB FUND」
の運用を開始する予定となっています。そのため、案件の出口繰りがしやすく
なったほか、ファンドの管理運用報酬も多少入ってくるようになるため、中長
期的に収益の安定化が期待されます。
なお財務面に関しては、有利子負債185億円に対して、手元現金が183億円も
あるため、事実上の無借金状態になっています。勿論700億円近いカカクコム
株式を保有しているので、実際の財務状態は見かけよりも相当良いのですが、
それでいて借金を返そうとしないあたり、MAないし投資先の獲物を待っている
状態なのかと思われます。直近2期でやっと多少は増配するようになったものの
なお株主還元が低水準(※今期は9ヶ月決算のため、30→20円へ当然の減配)
なのも、この仮説を裏付ける証左であります。
実は本社が同じビルに入居するカカクコムは、3月決算であるため、今回当社の
方が子会社に合わせて決算期を直してきたのは色々な意図が憶測可能です。
これで当社が「打ち出の小槌」であるカカクコム株式を追加で換金売りしてくる
可能性は非常に少なくなりましたし、それが理由で配当を渋っているというので
あれば、数々の見えない点が線で繋がるようなシナリオを感じざるをえません。
*参考記事① 2015-09-23 1,655円 ---
向こう3年の利益成長は年率17%想定、デジタルガレージ(4819)。
*参考記事② 2015-03-19 1,835円 --
20周年記念で配当5倍増、デジタルガレージ(4819)のレビュー。
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