地震ヘッジ用のバリュー銘柄、土木管理総合試験所(6171)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6171】土木管理総合試験所(東証一部) ---

現在値 663円/100株 PER12.8 PBR1.68  6月12月配当 株主優待あり

土木工事に必要な試験・調査・分析を行う試験と地盤補強工事が二本柱。
配当は6末・12末に各7.5円配当のため、配当利回りは2.26%となります。

土木管理総合試験所は株主優待制度を実施しており、12末の単元株主に対し、
1,000円分クオカードを進呈しており、配当優待利回りは3.77%となります。

業績を確認していきます。  
■2013年12月期 売上高 38.0億円、経常利益 3.4億円 EPS 44.6円 
■2014年12月期 売上高 40.5億円、経常利益 2.9億円 EPS 33.7円 
■2015年12月期 売上高 43.6億円、経常利益 4.1億円 EPS 54.9円 
■2016年12月期 売上高 45.2億円、経常利益 4.0億円 EPS 40.8円  
■2017年12月期 売上高 48.0億円、経常利益 4.6億円 EPS 53.1円 ce 
□2017年6月中間 売上高 22.5億円、経常利益 1.3億円 EPS 16.2円 ce 

2016年12月期の売上高は前期比3.6%増の45.2億円、経常利益は同2.2%
減の4.0億円となり、計画を若干下回ったものの概ね予想線で着地しました。
主力の土地・地質試験事業において、台風などの荒天により工事の遅延が
発生したほか、山口に西日本検査センターを増築したことや、他支店開設
による経費増により、利益は減益圏まで沈みました。

進行期である2017年12月期の売上高は6.1%増の48億円、経常利益は12.8
%増の4.6億円と増収増益を見込んでいます。前の期に増築した西日本検査
センターの新規稼働効果で、土質試験の対応能力が倍増したことにくわえ、
東北および熊本の震災復旧、リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事の
開始による試験受注の増加が見込まれます。ただ当社は官公需が多いため、
業績が4Q に大きく偏重する見通しで、3Q まで殆ど見せ場なしとなります。

当社は2015年8月に上場したばかりの銘柄で、上場時に約10億円(@625円)
を調達しましたが、大して資金需要のある業種ではないため、この公募増資
で得た資金が殆ど残っており、無借金状態が続いています。そのため、優良
な財務を背景に、配当性向30%水準での株主還元や中間配当導入にくわえ、
昨年は上場記念株主優待(日本酒)や、クオカード株主優待の導入・恒久化を
矢継ぎ早に実施しており、還元意欲は比較的高めであるとと言えそうです。

株価的なバリュエーションも割安ですが、建設コンサル銘柄は概ねバリュー
状態が常であり、PER一桁で無借金の銘柄などザラにあるので、取り立てて
当社を選好する理由は乏しいのですが、日本の真ん中である長野本社という
地の利と、大地震ヘッジ用の銘柄として上乗せ評価することは可能ですので、
PFに少し混ぜておくには良い銘柄だと思われます。

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