公募価格割れ続くも、地力と好財務に魅力・船場(6540)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6540】船場(東証2部) ---

現在値 1,194円/100株 PER10.3 PBR1.39  12月配当 株主優待なし

商業施設の企画、設計から監理、施工までを一貫。売上の2割がイオン系。
配当は12末一括の35円配当のため、配当利回りは2.93%となります。
船場は株主優待制度を実施しておりません。

業績を確認していきます。  
■2014年12月期 売上高 245億円、経常利益 10.5億円 EPS 67.6円 
■2015年12月期 売上高 307億円、経常利益 20.4億円 EPS 183円 
■2016年12月期 売上高 276億円、経常利益 17.1億円 EPS 124円  
■2017年12月期 売上高 300億円、経常利益 17.4億円 EPS 114円 ce 
□2017年6月中間 売上高 150億円、経常利益 8.7億円 EPS 55.9円 ce 

2016年12月期の売上高は前期比10.1%減の276億円、経常利益は同16.5%減
の17.2億円となり、昨年12月の上場時の落着予想を上回って着地しました。
前の期の大型案件の剥落の影響が大きく響き減収減益となったものの、SC
・駅ビル・大型店などの受注が堅調に推移したほか、収益性向上策が効いた
ため減益幅については最小限で食い止めた形になりました。

進行期である2017年12月期の売上高は8.6%増の300億円、経常利益は1.1%
増の17.4億円を見込んでいます。受注は堅調に推移しており、直近で最高益
を記録した2015年12月期並みの売上を確保する見通しですが、採用増による
人件費増加と、東京オフィス増床、関西・東北オフィスの拡張移転を計画して
おり、経費率の上昇が見込まれるため、利益の伸びは鈍化します。

なお中計として、3年後の2019年12月期に売上高340億円(CAGR7%)、営業
利益は21.0億円(CAGR7%)を予想しています。この営業益21億円というのは
2015年度にほぼ達成した数字のため、保守的な数字と思われます。国内だけ
でもSCの新設・リニューアルで相当な需要が見込まれるほか、海外に関しても
既に香港で30年以上の業歴を有しているものの、当社全体での売上高占有率
は10%に過ぎないため、既存取引先である日系小売業のアジア進出に付いて
いく形で、今後は海外事業の業容拡大が期待出来ます。

特筆すべきは、当社はイオンモールの親密先ということであり、イオンモール
が昨年7月に初めてモール内に公営図書館を誘致(※イオンモールつがる柏、
運営は丸善CHI傘下の図書館流通センター)した際にも、MD~設計/監理まで
当社が担った実績があります。この他にも蔦屋家電を含むCCCにも多くの実績
があるため、MD(テナントミックス)や独創性は光るものがあると言えます。

また、当社は昨年のIPOながら既に50年強の業歴を有しており、無借金経営を
継続しつつ、70億円の現金をため込んでいる圧倒的な財務健全性が魅力です。
配当性向は30%基準で、今期も26→35円と一気に9円増配を予定していますが
同業のスペース(※こちらも無借金で現金じゃぶじゃぶ)が、配当性向50%水準
で還元しているので、更に踏み込んだ株主還元が期待されます。

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