全ては親のブイキューブのやる気次第、アイスタディ(2345)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2345】アイスタディ(東証2部) --

現在値 994円/100株 PER49.4 PBR1.85 12月配当優待 6月優待

IT技術者学習ソフト等eラーニングが主力。オラクル認定DB研修も。
配当金は12月に一括の5円配当であり、配当利回りは0.50%となります。

アイスタディは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する6末・12末
の株主に対して1,000円分のクオカードと自社製品20,000円割引券を進呈して

おりますので、クオカードの方だけで配当優待利回りを算出すると2.51%程度
の利回りとなります。


業績を確認していきます。
■2013年03月期 売上高 8.9億円、経常利益 ▲0.2億円 EPS ▲380円
■2014年03月期 売上高 10.6億円、経常利益 0.4億円 EPS 27円 
■2015年03月期 売上高 9.6億円、経常利益 ▲0.3億円 EPS ▲30円 
■2016年03月期 売上高 5.0億円、経常利益 ▲0.3億円 EPS 67円 
■2016年12月期変売上高 3.9億円、経常利益 ▲0.1億円 EPS ▲12円  
■2017年12月期 売上高 6.4億円、経常利益 ▲0.1億円 EPS 20円 ce 
□2017年6月中 売上高 3.1億円、経常利益 0.2億円 EPS12円 ce

2016年12月期(9ヶ月変則)の売上高は3.9億円、経常利益は0.1億円の赤字と
なり、期初予想を下回って着地しました。主力のLMS事業において金融/製薬
業界向けが堅調に推移したものの、一部の大型案件で期ズレが発生したほか、
研修サービス事業においても、目黒への移転によりオラクル研修の集客が堅調
に推移したものの、IBM研修に関しては開始が遅れて寄与がありませんでした。


なお進行期の2017年12月期は12ヶ月決算復帰となり、売上高は6.4億円、
経常利益は0.2億円の黒字に転換する見通しとなっています。変則決算のため、
単純な比較はできないものの、前年同期間比での単純比較では売上高が2割増、
経常利益は0.5億円程度の利益改善となる模様です。LMS事業においては社員
のスキル管理を行う"タレントマネジメント"強化により拡販を図るとともに、
研修サービス事業においては、前の期に出遅れたIBM研修が本格的に稼働する
ことにより業績を回復させる目論見となっています。

当社は一昨年末にブイキューブ(3681)がこれまで筆頭株主であったSEHD&I
(9478)から6割近い株式をTOB
(81万株@744円)で譲受しており、現在はブ
イキューブの傘下となっています。当社の社員数は20数名ほどですが、昨年は
幹部級に5人の社員がおりてきたほか、次の株主総会でIBM出身の舩岡社長が
退任し、ブイキューブ出身の小山田社長が就任する予定のため、一層親会社の
関与が強まることが予想され、名実ともに同社の連結子会社となります。また、
当社本社も昨年のうちに銀座から、ブイキューブと同じ目黒に移転しています。

当社単体や旧親会社のSEHD&Iより、ブイキューブの方が遥かに経営が健全であ
り、業容拡大ポテンシャルも高いので、中長期的には期待出来る状況ですが、
ブイキューブは新事業・海外・提携など全てがやや勇み足気味で、前期も赤字に
転落しており、役員報酬削減や人員削減の実施などで構造改革の真っ最中です。

そういう状況のため、ブイキューブによる支援はこれまでよりも限定的となる可
能性はあるものの、かねてからの至上命題であった当社のLMSにブイキューブ
の動画を搭載した新しいシステムを、
金融機関を中心とした当社の良質な顧客層
(400社)やブイキューブの顧客(5,000社)にクロスセルできれば、業績的には相応
の数字が期待出来るはずなので、拡販の進捗を確認していきたいと思います。



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