指定替え・優待拡充後に公募増資が炸裂、ビーアールホールディングス(1726)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【1726】ビーアールホールディングス(東証一部) --

現在値 264円/100株 PER16.8 PBR2.97 3月配当優待 9月配当優待

極東興和が中核。中国/関西のPC橋梁中堅。MAでエリア拡大し全国化。
配当は3月9月の年2回で、合計2.5円のため配当利回りは0.93%となります。

ビーアールホールディングスは株主優待制度を導入しておりまして、3月末
・9月末時点の100株以上の株主に対して、500円分のクオカード
を進呈して
おりますので、配当優待利回りは約4.73%となります。


業績を確認していきます。
■2013年3月期 売上高 191億円、経常利益 3.5億円 EPS 8.2円  
■2014年3月期 売上高 199億円、経常利益 6.0億円 EPS 13.7円
■2015年3月期 売上高 206億円、経常利益 7.6億円 EPS 14.3円
■2016年3月期 売上高 208億円、経常利益 4.5億円 EPS 14.4円
■2017年3月期 売上高 230億円、経常利益 8.0億円 EPS 14.9円 ce
□2016年9月中 売上高 102億円、経常利益 1.6億円 EPS 1.1円(11/4)

2016年9月中間の売上高は前年同期比26.3%増の102億円、経常利益は
同黒字転換の1.6億円となり、会社側の中間予算が非開示のため比較は
出来ないものの、好調に推移したもようです。建設事業における期首の
受注残高が前期比26%多い213億円を確保していたため、この持ち高を
順調に消化したことで、直近10年来で2度目の上期黒字を達成しました。


なお2017年3月期通期の予算は据え置いており、売上高は前期比10.5%
の230億円、経常利益は75.6%増の8.0億円を見込んでいます。上期の
建設事業における受注高は昨年時点と比べると1割強減少して93億円と
なったものの、既述のとおり前期から持ち越している受注残高の"貯金"
が大きいため、好採算案件の増加も相俟って、達成可能と思われます。


当社は株主優待の導入による株主増加施策などが奏功して、昨年3月に
東証一部に鞍替えしましたが、指定替え後に株主優待の追加拡充と株式

分割を発表しました。このような施策は専ら"鞍替え前"に実施されるのが
通例であるので違和感がありましたが、9月になって公募増資と自社株の
売出が発表されました(@209円、11.8億円)。つまり会社側は、時価総額と
調達金額の極大化を目論んでいたものと推察されます。

会社側の目論見としては、NEXCOの「高速道路リニューアルプロジェクト」
の総事業費が平成27年~41年の15年間で約3兆円も見込まれているため
これの取り込みを目的としており、大分・静岡・江津・高宮・亘理の5工場で
生産ラインの増強などの設備投資に充当していく計画です。特にNEXCO
の本プロジェクトはその6割が橋梁の老朽化対策に振り向けられる公算と
なっているため、全国区で受注可能な当社にとって大きな商機となります。

ただこの公募増資(とOA自社株売出し)により2割弱の希薄化となったため
建設業種のバリュエーションとしては決して安くはなく、当分は配当による
還元や自社株買いも期待出来なくなってしまったので、中長期的な成長の
シナリオが明示されない限り、優待投資家以外は「手出し無用」の銘柄に
なってしまった印象があります(※会社説明会資料は準備中のようです)。


*参考記事 2016‐08‐14 *222円 【1:2分割遡及修正後】
一部上場済も謎の優待拡充、Br.ホールディングス(1726)。


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