業績ジリ貧で社長交代も、高水準の株主還元に期待・オートバックスセブン(9832)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9832】オートバックスセブン(東証一部) --

現在値 1,758円 PER40.6 PBR1.25 3月配当優待 9月配当優待

自動車用品の国内最大手。「オートバックス」中心に全国展開、海外も。

配当金は3月末・9月末合計60円のため、配当利回りは3.35%となります。

オートバックスセブンは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有
する3月末・9月末株主に対して、年2回3,000円相当の買い物ポイントを
進呈して
おりますので、配当優待利回りは約6.82%となります。

業績を確認していきます。
■2013年3月期 売上高 2,301億円、経常利益 144億円 EPS 81.2円
■2014年3月期 売上高 2,361億円、経常利益 164億円 EPS 107円
■2015年3月期 売上高 2,094億円、経常利益 82.5億円 EPS 52.8円
■2016年3月期 売上高 2,081億円、経常利益 77.8億円 EPS 51.6円 
■2017年3月期 売上高 2,067億円、経常利益 62.0億円 EPS 44.0円 ce
□2016年9月中 売上高 948億円、経常利益 15.6億円 EPS 8.5円(10/28)

2016年9月中間期の売上高は前年同期比3.9%減の948億円、経常利益
同50.0%減の15.6億円と減収減益となり、期初予想を大きく下回りました。
軽自動車の販売数減少の影響が大きく、連れてカー用品需要が低迷した
ほか、前期のスタッドレスタイヤ販売減によるノーマルタイヤへの履き替え
需要の低迷が響きました。


なお、2017年3月期通期の予算についても修正しており、売上高は前期比
0.7%減の2,067億円、経常利益は同20.3%減の62億円に減額しているため
増収増益予想が一転し、減収減益予想となりました。前期6店だった店舗
純増数も3店に留まる見通しで、直営店舗3店(松原・小金井・成城学園前)
に関しては既に開業済となっています。なお下期既存店の想定は99.8%、
通期に均した既存店の想定を98%で洗い替えしていますが、12月まで開示
されている月次情報によれば、9月間累計で98.9%で仕上がっているので、
冬物の順調な立ち上がりを追い風に、修正予算は確保しそうな感じです。

当社は2018年3月期を最終年度とする「2014 中計」で営業利益150億円、
連結ROE8%、連結DOE3%以上を目指していましたが、今年6月に湧田社長
が相談役に退き、小林副社長が社長に昇任したことから、本中計は満了
を待たずに終了することとなりました。この中計も一度下方ローリングした
経緯があるので、印象はあまり良くありませんが、連結DOE3%目標だけは
(タコ配ですが)クリアしているので、最低限の約束は果たしたと言えます。

やはり自動車に乗る人口が減っている以上、カー用品というのは構造的に
苦しく、当社のここ数年の売上高もジリ貧の右肩下がりとなっております。
会社側はフィリピンやマレーシアの企業と提携して海外進出を図っている
ものの、まだまだ数字として当てに出来るようなレベルではありません。

そのため、45億円ある借金をネットして、なお300億円以上ダブついている
現金を活かした株主還元に期待すべきであり、既述の連結DOE3%超基準
に基づく年間60円配当と、前期・前々期とそれぞれ50億円規模の自社株
を行っていて、
200%超の総還元性向で出血大盤振る舞いしているため、
業績は無視して、還元意欲のみを図るのが基本的なスタンスとなります。

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